生活者の意識・実態に関するトレンドを調査するトレンド総研は、20〜39歳の有職者男女500名を対象に、「風邪対策」に関する調査を行い、その結果を12月8日に発表した。
寒さが一段と厳しくなり、風邪をひく人も増える傾向にあるこれからの季節。働く男女は、風邪に対してどのような意識を持っているのかをたずねた。
まず、「これまでに風邪が原因で仕事に支障をきたしたことはありますか?」と聞いたところ、71%が「ある」と回答。その際の具体的なエピソードを聞くと、「接客業なのに声がまったく出なくなり、仕事を休まなければいけなかった(30歳・女性)」、「ちょうど月末の会計処理の時で、頭がぼーっとしたまま仕事をしていたら間違いだらけだった(37歳・男性)」、「1週間の研修の初日に体調を崩してしまいその年は研修に参加することができなくなった(26歳・男性)」、「風邪薬を飲んで強烈な眠気を感じ、事故を起こしかけた(37歳・男性)」などがあがった。風邪をひいてしまったことで、ミスをしたり大事な機会を逃したりなどは、多くの人が経験しているようだった。
そこで、「風邪をひくと、仕事の能率は何割低下すると思いますか?」と聞いたところ、平均は「4.8割」という結果に。風邪の時には、普段の半分程度のパフォーマンスになってしまい、ビジネスパーソンにとって風邪は「大敵」といえそうだ。
それでは、働く男女の「風邪対策」への意識はどの程度なのだろうか。
まず、「現在、あなたは十分な風邪対策をしていますか?」と聞いたところ、「十分な対策をしている」と答えた人はわずか11%という結果に。65%と過半数が「対策をしているが十分ではない」と回答し、「対策をしていない」という人も24%と、4人に1人という結果になった。十分な風邪対策ができている人は意外にも少数派だった。
続いて、「風邪をひく前の予防策として必要だと思うことは何ですか?」と聞いたところ、「手洗いをする」(85%)、「うがいをする」(79%)、「十分な睡眠をとる」(64%)などが上位に。一方で、「風邪をひいた後の対応として必要だと思うこと」としては、「十分に睡眠をとる」(84%)、「風邪薬を飲む」(65%)、「こまめに水分補給をする」(56%)が上位にあがった。
東京女子医科大学の玉置淳教授によると、冬に風邪をひきやすい原因は、「寒さ」と「乾燥」によって、ウイルスが繁殖しやすくなったり、ウイルスを体内から追い出す「線毛運動」の働きが低下したりすることにある。また、「線毛」の正常な働きを保つためには「水分補給」がポイントになり、風邪をひく前の予防策として「水分補給」が重要だ。しかし、「水分補給」を意識できている人は少数派で、今回の調査でも「風邪をひいた後の対応として必要だと思うこと」としては56%と、約6割が「水分補給」と答えている一方、「風邪をひく前の予防策として必要だと思うこと」として「水分補給」をあげた人は36%にとどまった。
さらに、「冬は、夏に比べて水分が不足しがちだと思いますか?」という質問には64%が「思う」と回答。また、「あなたの冬の水分摂取量は、夏と比較して十分だと思いますか?」と聞くと、「思う」と答えた人は44%にとどまり、残り56%と過半数は「思わない」と答えた。
空気が乾燥しがちなだけでなく、体内の水分も不足しがちなこれからの季節。イオン飲料などを活用して上手な水分補給を心がけたいものだ。
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