中央法規出版株式会社は、11月、若年性認知症・ピック病の著者による手記『ぼくが前を向いて歩く理由(わけ)〜事件、ピック病を超えて、いまを生きる 』を出版した。
著者の中村成信氏は、「サザンビーチちがさき」の命名者であり、2000年夏のサザンオールスターズ茅ヶ崎ライブ開催に奔走した行政マン。2006年2月、スーパーで万引きして現行犯逮捕され、弁明の機会もなく懲戒免職となるが、その後若年性認知症のピック病と診断される。
ピック病(前頭側頭型認知症)は、前頭葉や側頭葉が限局的に萎縮する認知症疾患で、意欲低下や性格変化、言語の障害などの症状がある。失職、次第に現れてくる症状…混乱や苦悩、偏見の中で、家族や仲間の支援を受けながら、復職に至るまでの道のりを綴った本書は、病とともに生きる著者の再生の記録であり、若年性認知症への理解につながる内容となっている。
■目次
序にかえて
第1章 発端
事件/違和感/急展開
第2章 診断
注目されつつある前頭側頭型認知症/発症は潜在的に/早期発見のポイント
第3章 混乱
次第に現れてくる症状/前頭側頭型認知症の症状
第4章 支援
深刻な処分/のしかかる経済的不安/広がる支援の輪
第5章 葛藤
複雑な思い/サービスを利用/息がつまる関係
第6章 再生
働く場を求めて/病と付き合う生活の工夫/環境を整える/ここを理想郷に
あとがき 暗闇から大きな希望ヘ
■書名:『ぼくが前を向いて歩く理由(わけ)〜事件、ピック病を超えて、いまを生きる 』
■著者:中村成信
■仕様:四六判・218ページ
■発行:中央法規出版
■定価:1,680円
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