特発性正常圧水頭症の治療の一歩目は、ケアマネに期待――水頭症セミナー(2)

11月24日、川崎市産業振興会館で開かれたセミナー「ご存知ですか?改善する歩行障害・認知症・尿失禁 特発性正常圧水頭症」では、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社コッドマン事業部の佐々木博信氏が講演を行った。

講演のなかで、佐々木氏は実際の特発性正常圧水頭症患者の治療前後の短い動画を複数紹介した。

一つは、特発性正常圧水頭症の診断に用いられる「タップテスト」の前後の動画。

タップテストとは、腰椎に針を刺し、溜まっている髄液を30mlほど採り、症状の改善が見られるかをチェックし、手術の有効性を判断するもの。「テストを受けて15分後くらいから症状の改善がみられ、ばーっと歩き出したり、頭の回転が早くなったと感じられたりします」(佐々木氏)

実際に動画で紹介された患者の場合、タップテストを受ける前はすくみ足で、誰かに支えてもらわなければ歩けない状態だったにもかかわらず、テスト後の動画では一人で普通のスピードで歩いていた。参加者からは思わず、「えー」という驚きの声が上がった。

別の動画では、髄液シャント術という、頭に過剰に溜まる髄液を体内のほかの場所へ逃がすためのバイパスをつくる手術を受けた患者の事例を紹介。

その患者は、一人ではほとんど何もできず、一日中ぼーっと過ごしていた。また、介助を受けて歩くときにも、引きずられるような形で歩いていた。ところが、手術を受けた後の動画では、杖をついて一人で歩けるようになっていて、プライバシーの問題で顔にはモザイクがかかっていたものの、表情豊かに笑っている様子がうかがえた。

「『一人でトイレに行けることが嬉しい』という声をよく聞きます」と佐々木氏。

セミナー参加者にはケアマネジャーが多く、佐々木氏は、「ケアマネが早い段階で気づいてくれれば…。特発性正常圧水頭症において、とても重要な職種です」と訴えた。

また、認知症という診断を「仕方ない」とただ受け止めるのではなく、「『認知症ですね。ご高齢なので仕方ないですね』と医師から言われても、『どういう疾患の認知症なのでしょうか』と、聞いてほしい」とも強調。

また、講演のまとめとして次のようなメッセージを伝えた。

かかりつけ医との関係から専門医を受診したがらない、独居の利用者さんに受診してもらうのは大変、医療を受けることに家族の同意が得られない――といったことはよく聞き、課題だと思う。どう乗り切るべきか、ケアマネに期待している。ぜひ、考えていただきたい」(佐々木氏)

また、この日は『医者も知らない? 治せる認知症!』(宝島社)が参加者全員に配られた。

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