AFP通信の報道によると、「オランダ死の権利協会(NVVE)」は、11月、重度のアルツハイマー型認知症を患う64歳の女性に安楽死が行われたことを明らかにしたという。
2002年、世界でいち早く安楽死の権利を合法化したオランダでは、医師がこれ以上は治療不能と診断した病気で、患者が極度の苦痛を受けている状況で、完全な知的能力があるときに安楽死を選択する権利がある。
同国では今年1月、同協会が「安楽死クリニック」開業が近いという報道もされており、一般開業医向けの「安楽死キット」なるものも薬局で販売されているという。
今回の患者は数年前から安楽死を希望していており、今回、その意志を尊重したことになる。認知症の患者に安楽死が行われたのはオランダでも初めて。
同国では安楽死の事例は全て、安楽死が認められる条件を満たしていたか調べるため、医師や法律家、倫理専門家から構成される5つある委員会のうちの1つに報告される。認知症の患者のこのような事例は、患者の判断能力などをめぐり、今後、波紋を呼びそうだ。