NECは、高齢者の生活行動リズムを把握することで、普段と変わりなく生活をしているかを見守るクラウドサービス「eみまもり(TM)(イーミマモリ)」を、10月から開始した。
現在、国内には65歳以上の高齢者単身世帯が30年前の5倍超にあたる400万世帯以上あると言われている。高齢者が住み慣れた環境で安心して暮らしていくためには、地方公共団体やNPO法人を中心とした地域全体で支えあう仕組みや体制作りの必要性がますます高まっている。その一方で、高齢者を支援し見守る側の人手不足や財政面での課題なども健在化しつつある。こうした課題に対して、NECではセンサーやICTを用いて、より効率的かつ効果的な、人にやさしい見守り支援サービスを通して解決していきたいとしている。
今回開発されたサービスは、家庭で日常的に利用されている家電製品の使用状況や、冷蔵庫や部屋の扉の開閉情報をセンサーが計測し、NECのデータセンターでそれらの情報を収集するシステム。収集した情報に基づき、生活行動リズムに変化があった場合、高齢者の家族や地方公共団体等の担当者等にメールで通知するものだ。
NEC独自の小型無線センサーを利用して生活行動リズムの情報を自動的に収集するため、高齢者は見守りのための装置を操作する煩わしさや、精神的負担を感じることなく通常の生活を過ごせる。また、クラウドサービスでの提供となるため、地方公共団体や企業は個別にシステムを構築することなく初期投資を抑え、短期間でサービスを開始することが可能となる。
サービスの特長は次のとおり。
(1) 高齢者のプライバシーや精神的負担に配慮した、人にやさしい見守り支援
NEC独自技術により小型化・無線化した電力計測センサーや開閉検知センサーを設置し、家電製品の電源のOn/Offや扉の開閉情報を計測。特別な操作は一切不要で、高齢者の精神的な負担に配慮しながら食事のタイミングやテレビの視聴時間など、在宅で日常・定期的に行う行動の情報を収集し、人にやさしい見守りを支援。
(2) 高齢者の家族や地方公共団体等の担当者が、いつでも状況を把握可能
センサーで計測された情報は、インターネットを介しデータセンターに収集。データセンターのシステムで、NEC独自のアルゴリズムにより、見守り対象となる高齢者の生活行動リズムを継続的かつ自動的に学習。生活行動リズムに変化があった時に指定されたタイミングで家族や担当者へメールを配信。適切なタイミングで高齢者への声がけが行えるため、より多くの高齢者を負担なく見守ることが可能。また、家族や担当者は携帯電話やスマートフォン、パソコンなどからいつでも状況を把握可能。
(3) 容易な設置で、生活行動リズムの計測が可能
電流計測センサーは、日常的に電源のOn/Offを行う家電製品であれば、種類やメーカーを問わず利用可能であり、コンセントにセンサーを接続させるだけで計測が実現。開閉検知センサーも、扉に取り付けるだけの容易な設置で感知が可能。いずれのセンサーも、設置のための工事は不要。
(4)クラウドサービスにより、運用負担を抑えた見守りを実現
地方公共団体や企業などの見守りサービス事業者はサービス専用サイトにて、複数の見守り対象者の状況一覧参照や、カレンダー形式で直近2カ月の詳細情報を参照など、様々な機能が利用可能。クラウドサービスのため、初期投資や運用負担を抑え、短期間でのサービス提供が可能。
■問合せ:NEC イノベイティブソリューション推進本部 TEL03-3456-7288