用地確保が困難な、都市部における特別養護老人ホーム等の整備を促進している東京都では、 世田谷区内の都有地について、低廉な価格で貸し付けて整備・運営する事業者を今年6月に公募していたが、今回、その事業者が決まり、10月31日に公表した。
■借受者:社会福祉法人緑風会
徳島県海部郡牟岐町に本拠を置く同法人(理事長 西谷功)は、1984年設立。現在、特別養護老人ホーム 5施設、老人短期入所施設 5施設、軽費老人ホーム 1施設、介護老人保健施設 1施設、認知症高齢者グループホーム 2施設 などを運営している。
■貸付予定地:所在地(地番)
東京都世田谷区成城八丁目931番地1、4、7
東京都世田谷区成城八丁目996番地1
東京都世田谷区成城八丁目999番地2
(都営成城八丁目アパート跡地)
■敷地面積:3,543.28平方メートル(約1,073坪・現況:更地)
■提案概要(施設規模等):
特別養護老人ホーム(ユニット型、定員100人)
老人短期入所施設(ユニット型、定員20人)
都市型軽費老人ホーム(定員10人)
防災拠点型地域交流スペース
■貸付条件等:
貸付期間/50年 (定期借地権設定契約)
貸付料/通常に算定された額の50%減額
保証金/貸付料の30カ月分
■選定方法:都有地等利用事業者選定審査会において、適格性を審査
■応募状況:応募者数 16法人
■提案内容の概要(審査のポイント):
・組織運営の適格性/複数の特別養護老人ホームを運営しているほか、軽費老人ホームや介護老人保健施設など数多くの施設の運営実績があり、公募施設を運営するための十分なノウハウと経験を有している。運営理念が目的に適し、職員や利用者に充分周知されている。
・財政運営の安定性/法人の財務状況は適正である。施設整備費、運営資金の財源が確実に確保されている。
・事業運営の確実性/本計画地近隣の医療機関との医療連携体制が確保された計画となっている。施設基準等関係法令の要件を満たした建築計画となっている。
・事業計画の妥当性/資金計画、整備費の積算内容及び財源、収支シミュレーションはいずれも適切である。建物の高さを抑え、隣地境界線との間も十分にとるなど近隣への影響をよく考慮している。また、緑化・省エネについても積極的に取り組み、地域の住環境に望ましい計画となっている。地域交流スペースを地域の資源として地域の意向に応じて展開することが期待できる。
・総評/事業計画や過去の実績等から、適正・適格な法人であり、長期にわたって安定した事業運営と質の高いサービス提供が期待できる。
■今後の予定:施設整備費補助内示(平成24年8月頃)後、貸付契約を締結