講談社は、高齢者のさまざまな人生教訓を集めたエピソード集『10年後を後悔しない20の言葉』を発行した。
著者は、現在、介護コンサルティング会社、(株)エイチエルを経営する辻川泰史氏。高校3年生のころから福祉ボランティアを始めたという著者は、多くの高齢者と接することで、人生の教訓を数多く得たという。その中でも、特に影響を受けた20人の言葉とエピソードをまとめたのが本書だ。20人が死ぬ前に語った人生最大の感動と後悔。それぞれが人生の集大成であり、感動を覚えるとともに重みがある。
著者は、あるインタビューでこう語っている。「ビジネスパーソンにオススメなのは、畳職人のJさんのエピソードです。Jさんは、デイサービスの人気者でしたが、相手の立場に立った仕事をしてこられた過去があるからです。畳を取り替えるときには、ゴミとなる古い畳も丁寧に扱っていました。『家族の思い出の品だから』といって。この教えを受けて、私も利用者様の個人ファイルを、保管期間を過ぎても、できるだけ保存するようにしています。利用者さまだけでなく、そのご家族もお客さまですから。個人ファイルを見ていただければ、思い出がよみがえることもあるでしょう」。「高齢者は最高の人生の教科書」と語る著者らしい言葉だ。
そのほか、「10以上の場所に名前が刻まれた主婦」、「土地をすべてなくした大地主」など、著者が厳選した20人の感動ストーリーは、「なぜ他人の幸せが自分の幸せにつながるのか?」、「なぜお金だけを追い求めると幸せになれないのか?」、「なぜ幸せには家族が必要なのか?」といった、だれもが抱いている問いに答えを示してくれる。すべての人が“10年後を後悔しない”ための珠玉のエピソード集である。
■書名:『10年後を後悔しない20の言葉』
■著者:辻川泰史
■定価: 1,365円(税込)
■仕様:四六判/192ページ
■発行:講談社
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