キリンホールディングス株式会社のフロンティア技術研究所は、小岩井乳業社と共同で、ウイルス感染防御において、乳酸菌の一種が免疫活動を活発化させることをマウスを使った研究で見出した。
乳酸菌が免疫を活発化させる作用を持つことは、これまでの研究でも一定の成果が確認されていたが、ウイルス感染防御において免疫を活発化させる乳酸菌を特定したのは初めてのこと。
ウイルス感染時に活性化し、ウイルスを排除する反応を司る細胞に、「プラズマサイトイド樹状細胞」というものがあるが、これまでは、この細胞を直接的に活性化させる乳酸菌はわかっていなかった。今回の研究では、乳酸菌のなかでもこの細胞を活性化させる種類を特定することに成功。その種類の乳酸菌をマウスに経口投与したところ、ウイルス感染防御の増強効果やプラズマサイトイド樹状細胞の活性化が確認された。
今回確認された乳酸菌の種類は、チーズなどの乳製品に応用されるものに属するものであり、安全性が高い免疫活性化物質として、今後、食品などへの応用が期待される。
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