マーケティング調査サービスや医療コンテンツサービスを行う株式会社ケアネットは、医師1000人を対象に糖尿病治療における魚介類(EPA/DHA)摂取に関する調査を実施し、6割以上の医師が何らかの形で治療に取り入れていることを公表した。
2011年5月に開催された日本糖尿病学会では、「EPA:イコサペンタンエン酸」と「DHA;ドコサヘキサエン酸」を含む魚介類の摂取が血糖改善に効果的である可能性を示す調査結果が発表された。具体的には、EPAとDHAの摂取量が多いほど、「ヘモグロビンA1c」という過去1ヶ月の血糖値の値を反映する数値の低下量が大きくなる、というもの。
今回の調査は、これを受けて、糖尿病患者に対してEPAやDHAの摂取を治療に取り入れているか否かを調べるために実施された。調査対象は、「CareNet.com」会員の一般内科、糖尿病・代謝・内分泌医師で、病院勤務医、診療所勤務医各500人。
この結果、医師1000人のうち66%が、食品・薬剤など何らかの形でEPAやDHAの摂取を治療に取り入れていると回答。一方、27%の医師が、「一定の効果は認められると考えるが、治療に取り入れたことはない」と回答した。取り入れていない理由は、「ガイドラインに盛り込まれていない」、「明らかなエビデンスがほしい」など。
また、アジやイワシ、サンマ、サバなどの「n-3系他価不飽和脂肪酸」を含む魚介類の摂取を薦めたことがあると回答したのは全体の34%。食事指導を行うなかで、魚介類の摂取も薦めることが多いということがわかる。
勤務施設別に見ると、「一定の効果は認められると考えるが、治療に取り入れたことはない」と回答したのは、病院勤務医では31%、診療所勤務医では24%と、差が見られた。