富山化学工業株式会社とエーザイ株式会社は、日本で共同開発中の抗リウマチ薬「T-614(一般名:イグラチモド)」の新薬承認申請を8月31日に行った。
両社は、1998年に締結した同剤に関する共同開発契約およびライセンス契約に基づき、日本で共同開発を行っている。承認取得後は、大正富山医薬品株式会社とエーザイ株式会社が、2ブランド2チャネルでプロモーションを行う予定だ。
同薬剤は、富山化学工業が創製した新規の疾患修飾性抗リウマチ薬。承認申請は2003年に行ったが、標準的治療に対する同剤の上乗せ使用時の有効性および安全性に関するデータが必要と判断し、追加試験を実施するため、2009年に承認申請をいったん取り下げていた。
日本において実施した追加試験は、リウマチの治療薬として一般的に使用される「メトトレキサート」による治療で効果不十分な関節リウマチの患者を対象として行われた。メトトレキサートのみを投与した群に比べて、メトトレキサートとT-614の併用群は、副作用も少なく、有意な改善が認められた。統計学的有意差をもって標準的治療とされているメトトレキサートにT-614を加えて使用した時の有効性を確認できた。
富山化学工業、エーザイの両社は、同剤により関節リウマチの薬物治療に新たな選択肢を提供し、関節リウマチ患者の多様なニーズの充足とQOL向上へのさらなる貢献をめざす。
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