煮豆や佃煮などでおなじみのフジッコは、8月26日、カスピ海ヨーグルトにインフルエンザウイルス感染後の重症化を抑制する作用があることを明らかにした。
強い粘りと酸味がおだやかで食べやすい「カスピ海ヨーグルト」は広く日本で親しまれているが、同社は武庫川女子大学国際健康開発研究所所長の家森幸男氏の協力のもと、カスピ海ヨーグルトの優良株であるクレモリスFC株を分離し、家庭で安全に植え継ぐことの出来るカスピ海ヨーグルトの種菌やそれを用いた製品開発を行ってきた。
昨年は、カスピ海ヨーグルトを食べていると風邪が重症化しにくく、食べる頻度が高いほどその効果も大きいという疫学調査結果を報告。また、マウスを用いた感染実験でも、クレモリスFC株の牛乳発酵物にインフルエンザウイルス感染後の重症化を抑制する作用があることを明らかにしている。
今回、同様のインフルエンザウイルスの感染実験において、肺のウイルス力価を測定したところ、クレモリスFC株の牛乳発酵物を投与したマウスでは有意に低い値を示すことが確認された。このことから、クレモリスFC株の牛乳発酵物の摂取によってインフルエンザの重症化が抑えられるメカニズムのひとつは、肺中ウイルスの増殖抑制作用であるものと考えられた。
さらに、発酵させていない牛乳では、ウイルス感染後の生存率の改善効果は認められなかったことから、FC株の菌体自体や粘り成分などの発酵生成物が作用していることが明らかになった。
◎フジッコ
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