日本総合研究所が行った調査によると、訪問介護員養成研修(1、2級)、介護職員基礎研修のいずれかを修了したものの、現在、訪問介護員として従事していない「潜在ホームヘルパー」が85.6%にも上ることがわかった。
調査は、楽天リサーチのインターネットモニターのうち、ホームヘルパー研修(1〜2級)、介護職員基礎研修のいずれか1つでも修了している6,336人を対象にしたもの。調査期間は、2011年2月16日〜17日。
潜在ホームヘルパーのうち、ホームヘルパーに「すぐにでも就きたい」と回答した人は5.2%にすぎず、「いつか就きたい」が31.8%、両者をあわせた「就業意向が高い人」は37.0%だった。
就業意向が高い人のなかでも、希望する就業形態は属性によって異なっており、18〜24歳の若者層などは、「正社員・役員」を希望する人が7割以上で、なおかつ、事業所の福利厚生制度やスキルアップ支援に対する関心が高い傾向が見られた。
一方、「子育て中の母親」、「主婦」は、「パート・アルバイト」を希望する人が、それぞれ5割、6割と多く、時間の融通が利く働き方を求める傾向が強かった。
こうした結果を受けて日本総研は、次のようなことを提案している。
●「すぐにでも就きたい」人に対し、就職説明会や現場見学会などを活用して就業を促進すること。
●正社員を採用したい事業者は、キャリア重視派に対してキャリア形成方法を伝えること。全国で数万人規模が見込まれる。
●登録ヘルパーを増やしたい事業者は、時間の融通が利くなど初任者の不安を軽減する情報を伝えること。
●さらに必要な人数を確保するには、十万〜数十万規模が見込まれる「いつか就きたい」人への働きかけが必要。「いつか就きたい」を「すぐにでも就きたい」にシフトするには、雇用環境の改善状況やホームヘルパーとしての働き方のイメージを共有することが求められる。
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