東京都は、2009年6月に施行された改正薬事法により、一般用医薬品のリスクに応じた区分設定、登録販売者制度創設、適切な情報提供や相談対応のための環境整備などが行われたことを受け、同改正法に関する都民の認知度などを把握するため「一般用医薬品に関する都民の意識調査」を実施し、その結果を7月25日に発表した。
■調査目的:改正薬事法に対する都民の意識を把握し、今後の医薬品の安全確保施策を推進するための基礎資料とする。
【調査概要】
■対象:都内在住者 6,000件(回収数2,054件、回収率34.2%)
■方法:調査員が郵便受けに調査票を配布し、郵送により回収
■調査期間:2011年1月7日〜2月4日
■調査項目:回答者の属性、医薬品の購入について、医薬品に関する意識について、薬局・ドラッグストアへの期待について、かかりつけの薬局について
【調査の主な結果】
■1年間に購入した医薬品
風邪薬50.9%、目薬 42.8%、胃薬・整腸薬・消化薬 38.8%、貼り薬(シップ薬など) 34.2%、栄養ドリンク 31.5%、痛み止め(頭痛薬など) 25.6%、ビタミン剤 25.5%と続いた。
上位7項目について性/年齢別でみると、「風邪薬」と「目薬」は、男性では40歳代をピークに、女性では20歳代をピークに、おおむね年齢が上がるほど低くなっている。特に、「風邪薬」は女性の20歳代で7割台半ばと高い。このほか、「胃薬・整腸薬・消化薬」は男女ともに50歳代以上の購入率が高かった。また、「痛み止め(頭痛薬など)」と「ビタミン剤」は、女性でおおむね年齢が上がるほど低くなっている。
一方で、「ここ1年では購入していない」は、男女ともにおおむね年齢が上がるほど高くなっている。
■医薬品を購入する場合に重視する項目
「効能・効果」が85.1%で最も高く、次いで、「価格」が47.5%、「店員の説明」が29.7%、「メーカー」が28.9%、「薬の成分」が26.4%となっている。
また、その中で最も重視する項目は、「効能・効果」(62.3%)が6割を超え最も高く、「店員の説明」(8.3%)が約1割となっている。性別・年齢別では、男女ともにいずれの年齢も「効能・効果」に比率が集中しており、特に、男性の40歳代、女性の20〜30歳代、50歳代で9割を超える。また、「価格」は、男女ともに60歳以上で低くなっている。
■登録販売者制度の認知度
薬剤師に加え、新たに一般用医薬品の一部を販売することができる「登録販売者制度」の認知度は40.0%と、新販売制度の都民への浸透は未だ不十分な状況にある。とくに高齢になるほど認知度は低かった。
■一般用医薬品区分の認知度
一般用医薬品に3つの区分(第1類、第2類、第3類)があるのを知っている割合は35.8%と、未だ低い割合に止まっている。性別・年齢別では、40代男女が認知率50%以上と最も高く、60代以降は男女ともに30%前後と低かった。一般用医薬品区分はリスクの程度に応じた情報提供等を行うための重要な指標であり、今後、浸透が望まれる。
なお、東京都では、薬事法に基づき、都内の薬局の機能などに関する情報を東京都が公表するサイト「t−薬局いんふぉ(東京都薬局機能情報提供システム)」を運営しており、薬局の所在地・開局時間などを指定して、東京都内の薬局を検索できる。東京都公式ホームページ等からアクセスでき、携帯版サイトもある。
◎t−薬局いんふぉ(東京都薬局機能情報提供システム)
(携帯版)http://www.t-yakkyokuinfo.jp/m/