厚労省は7月12日、2010年度の国民生活基礎調査の概況をホームページで公表した。
2010年度は、3年ごとの大規模調査の実施年であり、世帯や所得の状況に加え、健康や介護の状況についての調査を行なっている。その中から、介護状況についての調査結果を取り上げてみた。
■単独世帯で介護の必要な人が増えている
要介護者・要支援者のいる世帯の状況では、核家族が31.4%で最多。次いで単独世帯が26.1%、三世代世帯は22.5%だった。この順番は前回調査と変わらないが、年次推移では「単独世帯」の割合が上昇、「三世代世帯」の割合は低下しており、その傾向はより強まっている。
また、三世代世帯では要介護度の高い人がいる割合が高く、単独世帯では要介護度の低い人がいる割合が高い。単独世帯での構成割合を見ると、要支援〜要介護度2までは21.7〜17.9%の幅にあるが、要介護3になると9.1%と大きく減少しているのが特徴だ。
要介護者などを年齢階級別にみると「80〜84歳」が23.9%で最も多く、次いで「85〜89歳」が22.8%。性別では男性32.8%、女性67.2%だった。
こうした結果から、要介護度2までの80歳代の高齢女性は、介護サービスなどを利用しながら、ひとりで暮らす傾向にあると言うことができそうだ。
介護が必要となった主な原因は、要支援・要介護者全体で見るともっとも多いのが「脳血管疾患(脳卒中)」で21.5%。次いで「認知症」が15.3%。以下、「高齢による衰弱」「関節疾患」「骨折・転倒」となっている。
介護度別の原因では、要支援者は「関節疾患」が19.4%、「高齢による衰弱」が15.2%だが、要介護者では「脳血管疾患(脳卒中)」が24.1%、「認知症」が20.5%と明確な違いが出ている。
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