製薬会社のマーケットリサーチなどを行うセジデム・ストラテジックデータ株式会社は、恒例の「世界の医薬品メーカーランキング2010−決算期版」をまとめた。
原則として医療用医薬品売上高のランキングで、ワクチンや造影剤を含んでいるが、一部のメーカー(主に非上場メーカー)は詳細非公表のためOTCや検査薬などを含んでいる。
これをみると、日本の製薬会社は13位の武田薬品が最高位で、上位はすべて海外メーカーが占めているが、そのほとんどが日本にも進出しており、私たちの日常でもよく目にする薬品を製造しているメーカーも多い。
たとえば、アルツハイマー治療薬のアリセプトは、日本のエーザイが開発・発売しているが、提携によりファイザーが世界的に販売を行っている。また、ジョンソン&ジョンソンは、バンドエイドやリステリン、使い捨てコンタクトレンズなどでもおなじみだ。
製薬会社は近年、合併・買収が相次ぎ、長年親しんできた社名が消えるなどしてきた。たとえば3位のメルクの日本法人は、かつての万有製薬と米国シェリング・ブラウが統合して誕生したMSDである。国内でも第一製薬と三共製薬が統合し第一三共に、山之内製薬と藤沢製薬が合併して誕生したアステラス製薬など、名称が変わる事例は多く、今後も大手による買収・統合などが続くと見られている。
なお、このランキングは毎年、日本経済新聞、朝日新聞、業界紙、週刊東洋経済、「業界地図」(各社の出版物)、医薬品メーカー各社のリクルート用資料などで、医薬品業界の標準的なデータとして、また厚生労働省の「新医薬品産業ビジョン」でも使われている。
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