メドピア株式会社とeyeforpharmaは、メドピア株式会社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」にて、医師を対象とし「ジェネリック医薬品の処方に積極的になれない理由について」調査を行い、その結果を発表した。
「2012年度までに、後発医薬品の数量シェアを30%以上にする」という厚生労働省が掲げた目標に対し、達成するかどうかは微妙な状況になってきた。確かに医療費の抑制は重要な課題だが、シェアが延びないのは現場で働く医師のなかにジェネリック医薬品の処方に積極的になれない部分があるのではないか。
今回はそうした仮説のもと、ジェネリック医薬品の処方に積極的になれない理由について、アンケート調査を行った。調査期間は5月20日(金)〜5月26日(木)で、2,568件の有効回答数(複数回答可)を得た。
【リサーチ結果概要】
「ジェネリック医薬品の処方に疑問・不安は?」との設問に、ジェネリック医薬品の処方に疑問・不安がある、と答えた医師は全体の85%。「ある」と答えた医師のうちの半数以上が「品質」「効果」に対して疑問があると回答した。
ジェネリック医薬品の処方に積極的になれない理由
具体的な意見として、以下のようなコメント(抜粋)もあがっている。
・ジェネリックで生じた障害の責任をだれが取るのかが明確になっていない。 そこが最大の問題だと思う。 薬局は「変更不可にサインしなかった医師の責任」という。 であれば「変更不可」にサインし続けるしかない。(30代、一般内科,総合診療ほか)
・主成分にも不安がありますが、賦形剤その他が副作用を起こすこともあります。品質への不安が一番です。コスト至上主義のこのご時世ですから薬品業界後発品メーカーも同じだと思います。(50代、一般内科,総合診療ほか)
・ジェネリックを積極的に処方してきましたが、先発に比べて効果が悪く先発に戻して欲しいと患者さんより要望があり先発に戻しています。他 在庫切れが多く 製造中止となる薬も多い印象です。(50代、一般内科,消化器内科)
・安全面及びその管理体制に疑問が残る。さらに国のある種強引な推進の仕方に抵抗感を感じる。(40代、一般内科,呼吸器内科ほか)
・ジェネリックでも問題はないと思うのですが、逆にジェネリックにしなければならない理由がはっきりせず、わざわざジェネリックに変更するのが面倒くさく、使い慣れている薬を使用している状況です。ジェネリックにするメリット、これは恐らく経済面でしょうが、どのぐらいの値段の違いがあるかや、品質面の差など詳しく知っていた方が処方しやすいです。(30代、呼吸器外科)
このように、多くの医師が、先発薬と同じ効果というが、本当にそうなのか情報がない。情報を発信する役割のMR(医薬情報担当者) の顔が見えないことを挙げている。医療費抑制という経済的な国策に反し、クスリを処方する立場にある医師が、自らの倫理感に基づいて「ジェネリック医薬品に不安を感じている」ことは、普及の大きな妨げになるばかりでなく、患者の不利益(選ぶ権利を奪うこと)にもつながるのではないだろうか。