高齢世帯の平均貯蓄額は2,300万!──最新高齢社会白書(1)

2011年度版の高齢社会白書が厚生労働省より発表され、高齢者のさまざまな姿が明らかになった。

白書によると、2010年10月1日現在、65歳以上の高齢者人口は過去最高の2958万人で、前年の2901万人より60万人近く増加し、総人口に占める割合は23.1%となっている。高齢者人口は今後も増加し、2055年には高齢化率が40.5%になると推計している。

白書では、まず高齢者の姿と取り巻く環境の傾向と動向を分析している。高齢者のいる世帯は全体の約4割で、「単独」「夫婦のみ」の世帯が半数を占める。子どもとの同居は減少し、諸外国と比べて子どもとの接触頻度が少ないのが特徴。

経済状況は、高齢者世帯のひとり当たりの年間所得は192.9万円で、全世帯平均(208.4万円)と大差がなく、ひとり当たりの支出水準は全世帯を上回っていた。貯蓄額も全世帯平均均(1,638万円)の1.4倍の2,305万円、なかには4,000万円以上の貯蓄をもつ高齢者世帯も16.8%あり、、暮らし向きについては一応の安定を見ている傾向にあるといえる。しかし、ひとり暮らしの人は、他の世帯と比べて健康や経済状況など心配ごとや悩みごとがある人が多い。

高齢者の社会参加意識や生きがいの有無についても分析し、近所づきあいや会話の頻度、生きがいの有無には相関関係があることがわかった。近所づきあいがない人、親しい仲間がいない人、グループ活動をしない人は、困った時に頼れる人がいない状況にある人の割合が高く、「困ったときに頼れる人がいない人」のうち55.4%が「生きがいを感じていない」と回答している。ひとり暮らしの高齢者は日頃の会話の頻度が少ない傾向にあり、とりわけひとり暮らしの男性では近所づきあいがほとんどない人の割合が、全体の3倍以上となっている。

各地域では、高齢者の社会的孤立を防ぐためのさまざまな取り組みが始まっており、地域における見守りネットワークの推進や高齢者を対象にした昼食会の開催などが紹介されている。今後一層の高齢化が見込まれる中で、元気な高齢者には地域において支えられる側ではなく、支える側として活躍してもらうことを期待。

そうした高齢者の出番は、社会的孤立の防止にもつながると提案している。具体的な取り組みとして、高齢者介護支援ボランティア、子育て支援ボランティアが紹介され、東日本大震災における被災地での高齢者の活躍についても記されている。

――(2)へ続く

◎厚生労働省

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