東京都は5月23日、「男女平等参画に関する世論調査」の結果を発表した。同調査は、家庭、職場、学校教育などでの男女の地位の平等感や、仕事と生活の調和など、さまざまな分野における男女平等参画に関する都民の意識を知り、今後の政策の参考にすることを目的として実施されたもの。
調査対象は、都内に住む成人男女3,000人で、そのうち1,892人から回答が寄せられた。
「男女平等参画社会」を形成していくために行政が力を入れるべきことを聞く質問では、複数回答の1位として「保育・介護の施設やサービスを充実する」が7割弱、2位には「育児や介護等でいったん仕事をやめた人の再就職を支援する」「育児や介護中であっても仕事を続けられるよう支援する」がともに6割強を占め、育児と共に介護を担った際の行政サービスや支援が強く求められていることがうかがえる。
社会活動・地域活動に参加できていない理由としては、複数回答で「仕事の忙しさ」「参加方法がわからない」などが上位を占める中で、「家事や育児・介護などが忙しいから」を理由に挙げる割合も2割強いることがわかった。
また、育児や介護と仕事の両立を推進するために必要なことは何かを聞いた質問に対しては、男性のトップは「職場や上司の理解・協力」が複数回答で56%を占め、「育児・介護休業制度を利用しても不利にならない人事評価制度を作る」が52%、「長時間労働を削減する」が46%と続いた。
一方、女性では、「保育・介護施設やサービスの充実」が52%でトップ。続いて、「育児・介護休業制度を利用しても不利にならない人事評価制度を作る」が39%にのぼった。
男性が仕事とのバランスを一番に考えるのに対し、女性は現状の制度の改革を望んでおり、男女間に温度差があるのがわかった。
「ワークライフバランスを進めていくべきか」の問いに対しては、前回よりも9ポイント上がって、89%の人が「賛成」「どちらかといえば賛成」と答えている。賛成する理由についての中にも、「仕事以外の生活を充実させることは仕事の意欲にもつながる」「仕事だけが人生ではない」に続いて、3位として「性別に関わらず家事や育児・介護を行うべきだから」が挙げられていた。
仕事を続けられなかったり、社会とのかかわりを持ちづらくなる要因として、育児や介護が挙げられるのは一般的にもよく言われることだが、それを裏付ける結果となった。経済的な面からも女性の社会進出が進む中、行政のサービス・支援の充実は今以上に必要だということが言えるだろう。