東京都福祉保健局は、5月24日、新宿区内の特別養護老人ホーム神楽坂の給食で食中毒が発生したと発表した。
発表によると、5月16日(月曜)午前9時40分に、当該特別養護老人ホームから「5月14日(土曜)から施設の入所者14名が下痢症状を呈している」旨の連絡が新宿保健所に連絡が入り、同保健所の調査の結果、患者の検便からウエルシュ菌が検出された。
当該特別養護老人ホームは給食施設を直接運営し、施設入所者94名が給食を摂っており、そのうち35名が5月14日(土曜)午後4時から発症していることがわかった。
新宿区保健所では、「患者の共通食は給食の他にはなく、患者の症状がウエルシュ菌によるものと一致。患者を診察した医師から食中毒の届出があった」ことから、5月24日付けで、本件を当該施設が調理し提供した給食による食中毒と断定し、新宿区保健所は、5月24日から3日間の業務停止等の処分を行った。当該施設は5月20日から業務を自粛している。
詳細は以下の通り。
【本件の概要】
■発症日時:5月14日午後4時から5月16日午後1時頃まで
■症状:下痢、腹痛など
■発症場所:当該特別養護老人ホーム
■発症者数:発症者総数 35名(入所者)
(内訳)男:7名(発症者の年齢:81歳〜96歳) 女:28名(発症者の年齢:77歳〜95歳)
■入院患者数:2名(男:0名、女2名)
■原因食品:当該施設で調理した給食
■原因物質:ウエルシュ菌
■検査関係:患者ふん便 16検体 陽性(16検体からウエルシュ菌を検出)
従事者ふん便 8検体 検査中(1検体からウエルシュ菌を検出)
介護職員ふん便 2検体 陽性(2検体からウエルシュ菌を検出)
食品 31検体 検査中(1検体からウエルシュ菌を検出)
拭き取り検体 4検体 陰性
【施設概要】
■施設名:特別養護老人ホーム神楽坂
■給食供給者:社会福祉法人 三篠会(みささかい)
■施設所在地:東京都新宿区矢来町104番地
■法人所在地:広島県広島市安佐北区白木町大字井原4487番地
なお、東京都における食中毒発生状況は、2011年1月1日〜5月23日まで35件発生し、437名の患者が発生、死亡者はでていない。これは、昨年同期の発生件数93件、患者数942名と比べて大幅に減っている。
■問い合わせ:福祉保健局健康安全部食品監視課
電話03-5320-4402
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