OECD(経済協力開発機構)※は、「OECD対日審査報告書2011」をまとめ、このほど公表した。
これは、加盟国の経済状況の審査を担当するOECD経済開発検討委員会が、日本の経済状況、政策について調査し、報告書としてまとめたもの。
報告書では、慢性的な財政赤字に加え、3月に発生した東日本大震災を受けて、被災地の復興に向けた支出もあり、歳出削減と税収増を含む財政健全化計画が最優先事項となるだろうと指摘。
社会保障関連では、「国の社会保障費は、今後10年間にわたり2%(GDP比)程度増加すると見込まれている」、さらに「医療、介護の質を向上させる必要があるというコンセンサスを踏まえれば、おそらくさらに多くの支出が見込まれる」とした上で、「医療、介護分野における改革などを通じた社会保障支出の増加抑制策が優先事項となる」と明示した。
その上で、提示されたのは次の4点だ。
・介護サービスについて、報酬体系の活用や入院患者医療区分のより厳密な監視により、病院からより適切な介護施設へのシフトを促す
・病院が効率性を高める動機を強めるよう、診療報酬を疾病ごとに設定する診断群分類の改革により、支払方式の改善を図る
・後発医薬品を報酬支払の基準とすることにより、利用拡大を図る
・専門医による不必要な診断を減らすために、ゲート・キーパー制を導入する
※OECD(経済協力開発機構)はヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め30ヶ国の先進国が加盟する国際機関。主に国際マクロ経済動向、貿易、開発援助といった分野に加え、最近では持続可能な開発、ガバナンスといった新たな分野についても加盟国間の分析・検討を行っている。