5月13日に開かれた社会保障審議会介護給付費分科会では、会合の後半、定期巡回・随時対応サービス、複合型サービスについて意見交換が行われた。
まず、厚生労働省担当者が配布資料をもとに、24時間地域巡回型訪問サービス、複合型サービスについてそれぞれ説明。各ポイントは、以下の通り。
■24時間地域巡回型訪問サービスの基本コンセプト
1. 1日複数回の定期訪問と継続的アセスメントを前提としたサービス
2. 短時間ケアなど、時間に制約されない柔軟なサービス提供
3. 「随時の対応」を加えた「安心」サービス
4. 24時間の対応
5. 介護サービスと看護サービスの一体的提供
■小規模多機能型居宅介護と訪問看護の複合型サービスの概要
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委員からは、看護師をはじめとした職員の確保の問題や、介護と看護の連携について意見が上がった。
24時間地域巡回型訪問サービスの事業イメージとして、「24時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会」報告書(2月25日)より、45人のサービス利用者に対して、事業所人員は「介護職員22.8人、看護職員1.71人、面接相談員1.0人、オペレーター常時1人」と提示されたことに対して、三上裕司委員(日本医師会常任理事)は、「看護師1.71人で365日24時間の対応は可能なのか」と指摘。
齊藤秀樹委員(全国老人クラブ連合会理事・事務局長)も、「看護師の不足は変わらない。形をつくっても、人がいないという問題が付きまとうのではないか」と、看護師不足を懸念。
また、木村隆次委員(日本薬剤師会常務理事・日本介護支援専門員協会会長)は、医療ニーズの高い患者に対応するためには、訪問看護がますます重要になることから、「今後も、訪問看護ステーションの(看護師の)人員基準2.5人をクリアさせなければいけないのでは?」と述べた。
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