メドピア株式会社は、3月4日(金)〜3月10日(木)、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」上にて、「大学病院の必要性」について調査を行い、3,294件の有効回答を得た。
地域や大学にもよるが、大学病院は大学院生や非常勤医師など過剰に人員を抱えており、その結果、公立病院などの地域医療支援病院は医師不足の原因になっている。
また、地域の基幹病院として、また高度先進医療を提供するという役割は、必ずしも大学附属病院でなくても可能で、逆に大学病院でごく一般的な診療を行っていることも少なくない。
そこで、今回は「大学病院は必要ですか?」とダイレクトに医師に投げかけた。
その結果、「現在の数でちょうど良い」と答えた医師が46%、「高度先進医療を行っている病院のみ」と答えた医師が45%で、ほぼ2つの意見に分かれた。大学病院の役割には「教育、研究、臨床」の3つの柱が挙げられるが、存在意義を「医師の育成のため」とするか「一般病院にはできない治療のため」とするかが意見の分かれ目となった。
コメントには「こういう質問を出すこと自体が医局制度を悪者にした、無知な厚生省と同じでしょう。実際、研修指定病院に使い捨てにされた研修医が行き場を失ってしまう懸念から大学医局に帰ってきているわけですから。新しいエビデンスを生み出す場としても大学病院は必要でしょう」という辛らつな意見から、「臨床のみなら必要ないかもしれませんが、研究・教育には絶対必要です」「一般外来は廃止」「事務員やパラメディカルを公務員ではなく派遣にする」などの意見も多く寄せられ、数や規模よりも、現況の形態を見直すことで改善されることも多いようだ。
さらに2%ではあるが「すべて不要」とする医師も。地方では大学病院はまだまだ“最後の砦”として頼りにされているが、今後は、特色のない大学病院は淘汰されてゆく時代なのかもしれない。