紫外線による眼のダメージが様々な眼疾患を引き起こす可能性があるといわれていることから、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 ビジョンケア カンパニーは、金沢医科大学とともに、紫外線が眼に与える影響や眼が浴びる紫外線の実態について共同研究を行っている。
今回は、昨年9月に実施したジョンソン・エンド・ジョンソングループ社員約298名(平均年齢38.4歳)の“眼科検診”の結果と、正しい眼の紫外線対策について発表した。
まず、紫外線の影響で白目の一部がシミのように黄色く濁り、盛り上がる“瞼裂斑(けんれつはん)”の症状が受診者の57.4%に認められた。“瞼裂斑”は、失明につながる疾患ではなく自覚症状が無いことも多いため、あまり知られていないが、見た目の問題だけでなく、進行すると充血やドライアイの原因になることもある眼疾患である。
また、最近の研究では、白内障発症のリスクが高いことも明らかになっている。一般的に年齢が上がるほど有病率が高くなる傾向にあるが、今回の検診では初期変化が疑われる潜在的なものも合わせると、対象者の82.0%に症状が見られた。
白目部分に発症する “瞼裂斑”は、通常、黒目と白目の境目近くに発症する。この黒目と白目の境目は、紫外線の影響を受ける可能性が高く、異常が発生した場合に様々な眼疾患症状のリスクが高くなると考えられている。
発症位置の傾向を視力矯正方法の違いで比較すると、UVカットコンタクトレンズ装用者では、黒目と白目の境目より離れた位置に発症する割合が高いことが分かった(UVカットコンタクトレンズ54.1%、メガネ4.8%、視力矯正無し5.2%)。これは、角膜(黒目)よりもやや外径の大きいUVカットコンタクトレンズが覆っている部分の外側に発症していると推測される。
さらに、UVカットコンタクトレンズ使用者は、メガネの人、視力矯正をしていない人と比べて面積の大きな“瞼裂斑”ができている割合が少ない傾向にあった(UVカットコンタクトレンズ2.7%、メガネ14.3%、視力矯正無し13.8%)。また、“瞼裂斑”の所見がある人は、眼の乾き・充血などの症状を感じている。
こうした不快な症状を招く“瞼裂斑”を防ぐためには、うす曇りであっても、屋外にいる時は常に眼の紫外線対策が必要となる。眼に入ってくる紫外線対策には、帽子やサングラス、UVカットコンタクトレンズの併用が有用となる。