東日本大震災の際、首都圏のほとんどの交通機関がマヒし、通勤者の多くが帰宅困難な状況になったことを受け、気象情報会社の株式会社ウェザーニューズは、4月1日〜4日、関東の通勤者(電車・車の利用者)を対象に東日本大震災における「帰宅困難調査」を実施し、28,188人(男性49%、女性51%)の有効回答をまとめた。
まず、地震発生後、多くの交通機関がマヒした中、通常に比べて帰宅にどのくらい時間がかかったかを聞いた。その結果、電車通勤者23,678人(84%)の普段の通勤時間の平均は70分にもかかわらず、大震災当日は平均8時間30分と、通常の7倍以上かかっていたことが分かった。
さらに、この結果を時間別に分けてみると、通常の平均時間が30分未満の人は、地震当日は平均3時間58分、30分〜1時間位の人は7時間8分、1時間〜1時間30分位の人は11時間6分、1時間30分〜2時間位の人は13時間27分、2時間以上の人は16時間38分かかっていた。
この中で、通常の通勤時間が30分未満の人の帰宅手段を調査したところ、半数以上が徒歩で帰宅していることが分かった。また、車通勤者4,510人(16%)は、普段の平均時間が50分にもかかわらず、当日は4時間10分と5倍以上の時間がかかっていた。
時間別に見てみると、通常の平均時間が30分未満の人は地震当日は平均2時間37分、30分〜1時間位の人は4時間47分、1時間〜1時間30分位の人は7時間24分、1時間30分〜2時間位の人は9時間49分、2時間以上の人は、12時間31分だった。
また、通勤者が帰宅またはとどまった理由を聞いたところ、帰ろうとした人は“帰ることが出来る距離だった”が35%、“家族に会いたかった”が21%、“ただ家に帰りたかった”が19%、“交通機関が復活した”が17%、“翌日仕事が休みだった”が6%、“家族が緊急状態だった”が2%となった。
一方、とどまった人は“交通手段がなかった”が61%、“帰ることが出来る距離ではない”が17%、“混乱防止のため”が9%、“仕事が残っていた”が5%、“帰宅困難者の支援のため”が4%、“動く気がなかった”が4%だった。また、普段電車で1時間半以上かかる人に注目してみると、その半数以上は駅や会社や飲食店などに6時間以上とどまっていたことが分かった。
今後起こりうる震災に備え、帰宅困難時に自宅までどれくらい時間がかかるのか目安にしておくことで、その時の体調や状況に合わせて待機、または帰宅などを判断する上で役立つ調査となるはずだ。
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