有料老人ホームをめぐるトラブル増加――傾向とアドバイスを公表

国民生活センターでは、2006年3月に「有料老人ホームをめぐる消費者問題に関する調査研究」を実施し、調査結果や提言などを取りまとめた。しかし、全国の消費生活センターに寄せられる有料老人ホームに関する相談はそれ以降も増加傾向にある。

相談内容としては、「契約・解約」に関するものが全体の約8割を占め、中でも退去時や解約時の返金や精算に関するものが目立っている。

こうした状況のなか、有料老人ホームにおける消費者トラブルの問題をめぐっては、2010年12月に、消費者委員会により「有料老人ホームの前払金に係る契約の問題に関する建議」がなされ、消費者の関心はますます高まっていると考えられる。一方、高齢化が今後さらに進んでいくなか、当面の間、同種のトラブルが引き続き増加するおそれもある。

そこで同センターでは、有料老人ホームの退去時や解約時の返金や精算に関する相談を中心に、相談の傾向や事例、アドバイスを消費者に情報提供する。

■相談件数:
有料老人ホームに関する相談件数を年度別にみると、2005年度は255件であったが、年々増加し2009年度は447件、2010年度も2011年2月末日現在で369件の相談が全国の消費生活センターに寄せられている。

■相談の特徴:
契約当事者を年代別にみると、80歳代が最も多く、次いで70歳代が多い。平均年齢は75歳であった。性別では、女性が全体の約6割、男性が約4割であった。地域ブロック別にみると、南関東が最も多く、全体の半数以上を占めており、次いで、近畿、九州北部、東海の順に多い。

契約購入金額別にみると、1,000万円以上5,000万円未満が最も多く、次いで100万円以上500万円未満、500万円以上1,000万円未満の順に多い。また、平均契約購入金額の年度別推移をみると、概ね800万円から1,000万円の間で推移しており、2010年度も約874万円と高額であった。

■相談内容:
相談内容をみると、「契約・解約」に関するものが最も多く、全体の8割以上を占めており、年度ごとの割合をみてもその傾向に大きな変化はない。「契約・解約」に関するもの以外には、「価格・料金」に関するものが多く、全体の約3割を占めており、年度ごとの割合では2005年度から2010年度にかけて若干割合が増加した。

このうち、「契約・解約」に関する相談では、退去時や解約時の返金や精算に関する相談が目立っており、その中でも入居一時金等の返還に関するものや、原状回復費用の精算に関するものが目立っている。これ以外には、退去時における月額費用などの精算に関する相談も寄せられている。

また、「価格・料金」に関する相談には、「契約・解約」に関するものと重複しているものも多いが、「食費や管理費が大幅に値上げになるが、将来的に支払えるか不安だ」といったような入居中の費用や料金の変更に関する相談も寄せられている。

■消費者へのアドバイス:
1.契約する前には入居一時金などの費用について十分説明を受け確認する
2.見学や体験入居を行い、サービス内容などの確認と比較検討を十分に行う
3.入居後どのような場合に退去しなければならないか等についても事前に確認する
4.契約書などの関係書類は事前に入手し、入居後は退去するまで保管しておく
5.最寄りの消費生活センター等に相談する

◎国民生活センター

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