武田薬品は、3月22日、日本において、ヤンセンファーマ株式会社より導入しているアルツハイマー型認知症治療剤「レミニール」(一般名:ガランタミン臭化水素酸塩)を新発売したと発表した。
レミニールは2000年にスウェーデンで承認されて以来、軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症の治療薬として、70カ国以上の国と地域で使用されている。日本国内においては、ヤンセンファーマが臨床開発を実施し、今年1月21日に厚生労働省より製造販売承認を取得している。アルツハイマー型認知症治療剤としては日本国内では「アリセプト」発売以来、約10年ぶりの新薬となる。
武田薬品は、ヤンセンファーマとの共同販売契約に基づき、同一製品名でレミニールを日本国内で販売。本剤は1日2回の経口投与で、錠剤に加え、口腔内崩壊錠および内用液の3種類の製剤があり、患者や介護に携わる方の要望や生活習慣に応じた最適な剤形を選択することが可能となっている。
【概要】
■販売名:レミニール錠4mg、同8mg、同12mg、レミニールOD錠4mg、同8mg、同12mg、レミニール内用液4mg/mL
■一般名:ガランタミン臭化水素酸塩
■用法・用量:通常、成人にはガランタミンとして1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始し、4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量し、経口投与する。
なお、症状に応じて1日24mg(1回12mgを 1日2回まで)増量できるが、増量する場合は変更前の用量で4週間以上投与した後に増量する。
■効能・効果:軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
■薬価基準(税込み):レミニール錠・OD錠共に4mgは119.60円(1錠)、8mgは213.80円(1錠)、12mgは271.00円(1錠)。内用液は、4mg/mL107.30円(0.4%1mL)。
<レミニールについて>
レミニールの有効成分であるガランタミンは、ヒガンバナ科ガランサス属のマツユキソウ(別名:スノードロップ)の球茎から単離された天然由来の有機化合物が起源で、進行性疾患であるアルツハイマー型認知症の諸症状の進行を抑制する。ガランタミンは、アセチルコリンエステラーゼ阻害作用に加えて、ニコチン性アセチルコリン受容体に対する増強作用を持っており、それら二つの作用により脳内のアセチルコリンの濃度を高め、神経伝達物質の放出を促進するとともに、受容体の感受性を亢進し、また神経細胞を保護する。レミニールは、海外の主要な治療ガイドラインにおいては「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症」に対する標準的治療薬のひとつに位置付けられている。
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