独立行政法人放射線医学総合研究所は、3月14日、「ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません」と、警鐘を鳴らすアナウンスをホームページ上に公開した。
放射線ヨウ素が大量に体の中に入った場合、健康への影響を低減するために、内服薬である「安定ヨウ素」を医師が処方する場合がある。
一方、市販品の中にも、ヨードチンキやうがい薬、のどスプレー、消毒用せっけんなど、ヨウ素を含んだ商品は多くある。放射線医学総合研究所は、こうした商品を安定ヨウ素の代わりに飲むのは絶対にやめるよう、注意を促した。
こうした市販の商品は、内服薬ではなく、なおかつ、ヨウ素以外の成分も多く含まれているため、飲めば、体に有害な作用を及ぼす可能性もある。しかも、ヨウ素含有量は少なく、放射性ヨウ素が集まるのを抑制する効果はないという。
また、わかめなどの海藻にもヨウ素が含まれているものの、含まれる安定ヨウ素の量は一定ではなく十分な効果を得られるのは不明であるなどの理由から、海藻を食べても効果はないとのこと。
原子力発電所に関するニュースが飛び交うなか、インターネットなどでは、根拠のない情報も流れている。放射線医学総合研究所は、安定ヨウ素はあくまでも医師が処方するものであり、「原子力災害などの緊急時に、指定された避難所などで服用指示があった場合のみ、服用してください」と、不確かな情報に惑わされないよう、警鐘を鳴らした。
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