有料老人ホームの入居一時金返還をめぐるトラブルが相次いでいることをうけて、東京都は3月8日、認定NPO法人消費者機構日本と相互連携する協定を締結すると発表した。
連携・協力の主な内容は、入居契約書、重要事項説明書、入居案内など契約の基本情報の提供、有料老人ホームの契約トラブルの事例検討と専門的な見地からの意見交換、契約についての課題の抽出と改善案の検討などを共有する。
認定NPO法人消費者機構日本は、事業者の不当行為に対する改善の申し入れや差止訴訟を提起する権能を持ち、(財)日本消費者協会、(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会、日本生協連の3団体が、弁護士・司法書士等の専門家、学識者、消費者団体関係者に呼びかけて2004年に設立、賛助会員63団体、個人正会員128名などで構成される内閣総理大臣が認定した適格消費者団体。
電話による相談やホームページに寄せられた消費者被害情報を分析し、トラブルの発生している有料老人ホーム、大手英会話学校、不動産会社などの事業者に申し入れを行い、年換算で1.1億円を超える被害防止効果をあげ、多数の約款是正や対応改善を実現している。
都によると、2月1日現在、都内の有料老人ホーム施設数は497カ所、定員数3万1,080人。消費者機構日本と提携後は、有料老人ホーム設置運営指導指針の改正に向けた検討や事業者による不当な契約や勧誘に対する差止訴訟の活用促進のため、定期的な課題検討会を実施する予定。
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