NPO法人[特養ホームを良くする市民の会」は、2月15日、枝野幸男官房長官あてに、特養ホームにおける「個室・ユニット型施設の定員10人」「介護総量規制」の維持を求める要望書を提出した。
同会は、特養ホームが28年かかってようやく個室化が実現できたことを高く評価しており、しかしながら、民主党政権になってから個室面積の縮小、定員を10名から15名に変える提案がなされたことに落胆と危機感を感じ、次の3つのポイントについて誠意を持って検討するよう訴えている。
【個室・ユニット型の定員10名を守ってください】
ユニットは1つの家であり、そこでの生活はその人の人生そのもの。要介護度が重い人が暮らす特養ホームには、定員10名を守って、きめ細かい心の配慮と気遣いと人手が必要。
【サービスの質の確保を前提としてください】
多様な在宅系事業者が参入する中、サービスの質を確保する仕組みは未整備なままで、監査も行き届かず、虐待の数も増加しいる。その中で1ユニットの定員を増やし、特定施設の総量規制を緩和することは高齢者の安心・安全が揺らぐことにつながる。
【総量規制を守ってください】
特定施設の総量規制緩和は、介護保険財政の悪化を招く恐れがある。しかも、特定施設は虐待や拘束の把握が困難であり、倒産というリスクが高く、その対策のための新たな仕組みづくりといった無駄が生じる。市民は、そうした特定施設よりも特養ホームを増やすことを望んでいる。総量規制の緩和は、市民の不安を高めるばかり。
なお、同会は、介護施設における高齢者虐待に関する要望書を1月に提出し、特養の個室・ユニット型施設の方針を貫くように求めた要望書を昨年9月に提出している。
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