内閣府は、高齢者の生活実態や社会参加などの状況を分析する、2010年度「高齢者の現状及び今後の動向分析についての調査」の結果を発表した。
調査は、「2007年国民家生活基礎調査」と「2008年度高齢者の生活実態に関する調査」のデータの中で、60歳以上を対象に分析が行われた。
その結果、「経済状態の悪いグループで独居者の比率が高い」「健康状態『良』グループの中では、経済状態の悪いグループの方が、女性の比率が高い」などの男女差が見られた。
要介護認定の申請については、受けているのは全体で7%、「健康状態『悪』・経済状態『悪』」グループでは20・8%、「健康状態『悪』・経済状態『良』」グループでは24.1%だった。
家計の状況は、「ほぼ毎月赤字」13.5%、「ときどき赤字」26.9%と、全体の4割を占めた。
家族介護の担い手になっている高齢者は、「主に女性で、生活動作などが自立状態にある」「仕事をしていない傾向が高いが、就業希望は高い」「ストレスが高い」などの傾向が見られた。
社会参加についての項目では、町内会や老人会、婦人会などの地域活動に参加していない割合は「健康状態『悪』・経済状態『悪』」が73.9%、「健康状態『悪』・経済状態『良』」が63.2%の順に高くなっていた。ボランティアへの参加、趣味やスポーツを行っていない割合も同じような傾向にあった。また、普段の会話の状況は、「健康状態『悪』・経済状態『悪』」は、週1回の会話か、それ以下の状態が1割強を占めた。また、同グループの14%は2,3日に1回程度の会話レベルだった。
病気のときや、一人ではできない家の周りの仕事の手伝いなどについて、頼れる人がいる割合は全体では96.7%。いない割合は「健康状態『悪』・経済状態『悪』」グループが9.3%と最も高くなっていた。
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