グローバルヘルスケア企業のMSD株式会社は2011年春の花粉症シーズンに先駆け、花粉症患者1,030名を対象に花粉症の治療満足度と、症状が及ぼす影響についての実態調査を実施した。
調査の結果、花粉症の治療をしていても、69.0%の患者が症状が抑えきれていないと感じており、また、花粉飛散期の生活の満足度は花粉が飛んでいない時期より劣っていると答えた患者が90.2%だった。
花粉症の症状により影響を受け、困ることとしては、集中力が落ちる(83.1%)、仕事、勉強、作業能力が落ちる(61.9%)が非常に高い割合を示しましたが、イライラする/落ち着きがなくなる(46.2%)、憂鬱になる(42.2%)といった、精神的な面への影響も半数に近い数字を示した。
今年は昨年の5〜10倍の花粉が飛ぶと予想されているおり、こうした花粉大飛散を不安に感じている花粉症患者サンは97.4%に上り、大飛散にそなえ、症状がより改善するとされる「異なる作用の薬の組み合わせ」による治療を87.8%の花粉症患者サんが望んでおり、併用療法に対する意識が高いことがわかった。
これらの結果を受け、福井大学医学部感覚運動医学講座耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授藤枝重治氏は、2011年の花粉症治療について、「花粉症の基本的な治療薬は、鼻水やくしゃみに有効な抗ヒスタミン薬、さらに鼻づまりに効果がある抗ロイコトリエン薬、3つの症状に効果のある鼻噴霧用ステロイド薬の3つに大別され、症状と重症度に合わせて花粉症治療薬を組み合わせて治療を行う併用療法が効果的。特に今年のように、花粉が大量飛散すると予測されている場合、例年1剤では満足の行く効果を得られていなければ、最初から組み合わせによる治療を行うことが大切。症状や重症度に合わせてのみ薬と点鼻薬で症状をしっかり抑えたり、のみ薬を組み合わせて幅広く症状を抑えたりと、上手に組み合わせて服用すると効果があるので、効果を感じることのできる治療法について、是非医師に早めに相談し、適切な治療を受けられることをお勧めする」と述べている。
■調査詳細
花粉症の治療満足度と、症状が及ぼす影響についての実態調査
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