生活者の購買現場を調査し情報提供を行っている株式会社ドゥ・ハウスは2010年11月に『「見えない家族」のライフスタイル』に関するアンケート調査を実施。親世帯と子ども世帯が近距離で別々の家に住んでいる「見えない家族」で、親はどのような気持ちで子ども世帯を迎えているのかを調査し、この度、その結果を発表した。調査は首都圏の50歳以上の既婚女性にアンケートを実施し、273名から回答を得た。
50歳以上で子ども世帯と同居していない首都圏在住の主婦に、子ども世帯が自宅へ来る目的を聞いてみたところ、「食事」と「顔みせ」の2つのキーワードとしてあがってきた。「食事」はいつもよりも良いものを購入しているのがうかがえ、「食材はちょっと高価な牛肉やワインを用意する。夫とふたりの時よりは、やはり食卓がグレードアップする。(59歳・女性)」と、子ども世帯が来るといつもより豪華な食卓風景になってるようだ。
もう一つの「顔みせ」では、子どもや孫が少し時間がある時やちょっとした用事がある時に、挨拶気分のような感覚で来ていることがうかがえ、「孫を預ける」「身体を休めるため」もある意味お互いの「顔みせ」につながる。滞在時間も長くなり、お互い安心できる様子からしても単なる「顔みせ」ではないのがわかる。
この「食事」と「顔みせ」の2つを満たしている交流の場が「食卓」であり、こうした目的の上に成り立っていると言えるとこの調査では分析している。
次に子ども世帯が来ることを考えて親がストックしているものについて聞いたところ、もっとも高くなったのが「菓子」(52.7%)で、2番目に「生鮮食品」(47.3%)が入っている。「急に来てもすぐ調理できるように肉、挽き肉、餃子、焼売などを冷凍庫に。レトルトのカレー、ハヤシ、シチューも。キャベツ、レタスなどの野菜もストックしている。(68歳・女性)」といったデータから、すぐに調理できる食材を用意しているのがうかがえる。
3位には「飲料(ジュースなど)」、4位に「飲料(アルコール類)」と飲料が続いており、「婿殿のビール、娘、孫用にお茶、お菓子類。娘にゴボウサラダ。(66歳・女性)」と、各人の好みを考えたストックも多い。
一方で「帰りに持たせているもの」を見ると、「母親のつくったお赤飯、惣菜を味わってほしいので重いが持たせる。(61歳・女性)」や「嫁や孫にも安全でおいしい食材を食べてもらいたいので、質の良い調味料や食品を持たせている。(50歳・女性)」と、何かを持たせて帰したいという親の気持ちがよく表れている。待つ立場の親としては、子ども世帯の来訪のために「楽しませたい」「味わってほしい」ものをストックしたり、持たせて帰したいという想いが伝わってくる。