厚生労働省は、次期法改正で労働法規に違反し罰則を受けた介護事業者は「指定取消」とする処分を検討していることを明らかにした。1月19日、日本在宅介護協会(在宅協)東京支部主催の新春トップセミナーに招かれた同省老健局振興課課長の川又竹男氏が講演で言及した。
川又氏は、講演の終盤、昨年12月24日の社会保障審議会介護給付費分科会で提示された次期介護保険改正案のポイントについて解説した。“労働法規の遵守の徹底”について、労働法規に違反し罰金刑を受けた事業者に対する指定申請の拒否や、指定取消しを行えるようにする。
川又氏は「単に監督者から指導されただけでなく、起訴され罰則を受けるまでに至る重大な労働法規違反は、福祉業界では年間5〜6件と少ないものの、介護人材の確保と資質の向上を図るために規定として盛り込む予定」と述べた。
このほか、“介護サービス情報公表制度の見直し”では、各都道府県によって介護サービス事業者から徴収する公表手数料・調査手数料の格差が問題となっている点について、調査実施を毎年ではなく任意とすること、現行、各都道府県が設置して管理運営している公表システムサーバーを国が用意し、都道府県がこのサーバーを活用して公表事務を実施することなどで、コスト削減を図り、手数料によらない同制度運営を図るとした。
改正案の医療と介護の連携強化のポイントにあげられた、“介護療養病床の廃止期限の猶予”については、川又氏は「来年の3月までの廃止期限を何年猶予するかは固まってはいないが、民主党からは3年程度という案が出ており、法案提出までに検討したい」と述べた。