帝国データバンクでは、2010年12月時点の企業概要データベースから、2009年度(2009年4月期〜2010年3月期)の売上高が判明した介護サービス・有料老人ホーム業者を主な対象に、社数・売上高総額推移、内訳、売上高前期比較、損益状況、倒産動向を分析し、12 月27日に公表した。
介護サービス・有料老人ホーム業に関する経営実態調査を同社が行うのは、今回が初めて。
【調査結果】
2009年度の売上高が判明した介護サービス・有料老人ホーム業者数は7022社となり、診療報酬が改定された06年4月直前の05年度の2733社と比べ、156.9%の大幅増で約2.5倍に急増。売上高総額も4兆2122億100万円で、05年度と比べ94.6%の大幅増となった。06年、09年に介護報酬が改定され、参入企業が増加したことが影響した。
売上高10億円以上の企業を見ると、2009年度は「増収」が594社、構成比74.4%を占め、「減収」(88社、構成比11.0%)を大幅に上回った。損益状況においても、「黒字」が582社で、構成比は92.4%と9割を超える高水準となった。
企業別では、介護会社としては、現在のところ唯一の一部上場企業であるニチイ学館が他を圧倒しての売上を達成している。
【2009年度売上高上位トップ10】
1位 ニチイ学館 2,004億8,300万円
2位 ベネッセスタイルケア 444億9,700万円
3位 ツクイ 394億4,000万円
4位 メッセージ 267 億8,100 万円
5位 メデカジャパン 243 億1,100 万円
6位 ベストライフ 235億円
7位 ワタミの介護 174億7,700万円
8位 ハーフ・センチュリー・モア 166億3,700万円
9位 ライフコミューン 130億3,600万円
10位 川島コーポレーション 128億9,400万円
一方、2010 年の介護サービス・有料老人ホーム業の倒産は、11月までで16 件発生。過去5 年で最多の2009 年から一転、前年同期比50.0%の大幅減となった。
負債総額は17 億7,000 万円と、2005 年以降で最小。負債額トップの?テンダーファイブ(東京都、2010 年4 月民事再生)でも約7 億4,000 万円にとどまり、1 社あたりの平均負債額も約1 億1,100 万円と、小規模・零細企業が倒産の多くを占めた。