東京消防庁は、大掃除の時期である12月は他の月の倍以上の事故が発生しており、65歳以上の高齢者が掃除中の事故が原因で搬送されるケースが増えてきていると発表した。同庁では、年末年始の大掃除を控えて、高齢者の転倒・転落事故に注意を促している。
同庁が12月9日に発表したデータによると、2006年1月から今年9月までの4年9カ月間で救急搬送された人を年齢別に調べてみると高齢者の割合が高いことがわかった。今年9月末時点で救急搬送された65歳以上の高齢者は175人で搬送全体の54.3%と過半数に達している。このまま増加傾向をたどると、年間では250人近くが搬送される見込みで、4年前に比べてると約1.6倍の数値になるという。
【年齢層別の救急搬送人員及び高齢者の占める割合】
高齢者の事故が増えている要因については、高齢者人口自体の増加に加えて独居高齢者や老々世帯が増え、「年齢的にはきつい掃除でも、自分でやらなければならない」状況があると同庁は指摘している。
12月中に起きた事故に絞って内容を見てみると、「床で滑って転倒」「椅子から転落」など転倒・転落・墜落が284件中201件と全体の7割を占めており、転倒・転落・墜落事故の起きた場所は「イス・踏み台から」が最も多く、次いで「脚立・はしごから」「階段から」の順となった。
高所で掃除するときは安定した足場を選び、片方の手でしっかりと固定された家具につかまるなどバランスを崩さないようにし、降りる際は足を踏み外さないよう注意することが必要と事故防止を呼びかけている。
転倒・転落以外に高齢者が起こした事故では、「茶しぶを取るために湯のみを漂白していたのを忘れて、中に入っていた漂白剤を飲んでしまった」ケースなどがみられた。
【転倒・転落・墜落事故による救急搬送人員】
同庁では、急病やケガで「救急車を呼んだほうがいいか?」「今すぐ病院に行った方がいいか?」など迷った際の相談窓口として、24時間年中無休の「東京消防庁救急相談センター」を案内している。
■東京消防庁救急相談センター 「#7119」
TEL:03-3212-2323(23区)
TEL:042-521-2323(多摩地区)
24時間年中無休
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