厚生労働省は、11月22日、2009年度の高齢者虐待に関する調査結果を発表した。
調査によると、65歳以上の高齢者に対する家族からの虐待件数は4.9%増(前年度比)の1万5,615件と、4年連続で増えており、調査を始めた06年度以降で最多となった。虐待等による死者も前年比8人増の32人で、最も多かった06年度に並んだ。
虐待の内容で最も多かったのは、暴力を振るう「身体的虐待」で64%、次に、暴言や侮辱の言葉による「心理的虐待」38%、財産を勝手に使うなどの「経済的虐待」26%となっている。これまでは「経済的虐待」よりも「介護の放棄」が多くなっていたが、今回初めて「経済的虐待」が上回った。
家族からの虐待に関して、市町村などへの相談・通報件数は7.9%増の2万3,404件で、相談・通報者は、「介護支援専門員等」が44.2%で最も多く、次いで「家族・親族」12.4%、「被虐待高齢者本人」11.7%の順。