東京都介護福祉士会ほか介護関連団体が協同主催する「介護のコト体験フェア」が11月14日、東京国際フォーラム(千代田区)で開かれた。
この催しは「福祉の仕事イメージアップキャンペーン」事業の一環で、東京都福祉人材センターが全面的に関わり、これから介護を仕事に選ぼうと検討中の人に対するPRの機会にもなっている。
昨年に続き、今年も人だかりができたのは、おむつ交換や着替えの方法、介護食づくり、腰を痛めない移乗動作の講習など、現場の介護福祉士らによる実演。
また、会場中央では介護予防健診「おたっしゃ21」に多くの参加者が訪れ、中高年世代の介護職本人が「自分自身の介護予防についても考える、いい機会になった」と語り合う場面もみられた。
主催団体の1つ東京都介護支援専門員研究協議会からは、西本裕子理事長がセミナーに登壇した。
聴講者は介護のことに初めてふれる人が多く、「ケアマネジャーが何する人かご存じの方は?」の質問には、約100名のうち数名しか手が上がらず。西本氏は「今日は在宅介護の話を通じ、ケアマネジャーの役割を知っていただけたら幸い」と、在宅介護で燃え尽きない方法について様々なアドバイスを行った。
家族介護をきっかけに看護職から転向し、東京都第三者評価委員も務める立場からは「本人・家族がが精神的ストレスで疲れ果てるくらいなら、在宅より施設介護がよい場合もある。この時は、終のすみか選びを専門職任せにせず、必ずご自分たちの目で確かめて最終決定してほしい」と話した。
今年もっとも注目を集めたのは、20代3名の若手介護職による公開座談会。特別養護老人ホーム、知的障害就労支援施設、高齢者・障害者の訪問介護と各分野の仕事の実際と、その魅力が語られ、いきいきとした現場の映像紹介が聴講者を惹きつけた。
IT企業から転職して起業に至った真鍋圭彰氏(株式会社アイビー)は、現場で働きながら資格を取得した経験をもつ。会場からの「未経験でもやれるでしょうか?」との質問に、「異業種参入組や未経験者は、介護業界の不自然な点に気づき、新しいサービスを生み出す強みを持っていると思う。先入観なしで頑張ってほしい」とエールを送った。
介護のコト体験フェアでは、このほかに、アクティブ福祉in東京’10(高齢者福祉研究大会)の表彰が行われ、111の応募のなかから9団体が、優れた介護実践事例を発表した。