静岡県は11月10日、介護報酬を不正に受給したなどとして、医療法人社団翔健会が運営する介護療養型医療施設「医療法人社団翔健会 熱海温泉病院」の指定を取り消すと発表した。
発表によると、介護報酬の不正受領額は約4億3千万円にも上り、加算金40%の約1億7千万円を付加して返還請求する見通しだ。
施設は医療療養病床113床を併設する57人定員の施設で、看護職員が長期にわたり不足していた「人員基準違反」であったにもかかわらず、介護報酬を不正請求していたという。また、勤務実態のない看護職員についても、監査時に虚偽の報告や答弁を行っていた。
県はこうした不正事実を受け、同施設の指定を2011年1月31日付で取り消す。また、取材に対して「返還額は約6億円と非常に高額で、全国でも最大規模級ではないか。今回の監査は過去5年間を遡ったもので、それ以前の時効分は分かりかねる。」としている。
【法人概要】
名称:医療法人社団翔健会
代表者:理事長 小坂博
所在地:熱海市伊豆山字七尾原1173番175
事業所:介護療養型医療施設「医療法人社団翔健会 熱海温泉病院」
定員:57人(医療療養病床113床併設)
指定年月日:2003年8月1日
指定取消日:2011年1月31日(処分決定日:2010年11月8日)
■取材協力
◎静岡県
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