認知症ではないものの、年相応よりも認知機能レベルが低い「軽度認知障害」(MCI)。早い段階での受診が重要とされるが、医療機関に行くことを嫌がる人も少なくない。ただし、ケアマネジャーが勧めれば、MCIの疑いがある要介護者の7割ほどが医療機関に行ってくれた―。そんな結果が、ケアマネジメント・オンラインの調査で示された。
ケアマネジメント・オンラインでは2月22日から3月3日にかけて、会員にアンケート調査を実施。625人から有効回答を得た。
■MCIかもしれない人に受診、「勧めたい」は86%
「MCIかもしれない利用者がいる場合、本人や家族に受診するよう勧めたいと思うか」と尋ねた質問では、51.0%のケアマネが「強く思う」と回答。「少し思う」(34.8%)と合わせると、85.8%のケアマネがMCIの早期発見の必要性を認識し、積極的に行動しようと考えていることが分かった=グラフ1=。
また、MCIが疑われる人に受診を勧めたいと答えたケアマネ(534人)のうち、実際に受診を勧めたことがある人は381人いた。この381人に受診を勧めた結果を尋ねたところ、68.8%は利用者が受診したと回答した。一方、ケアマネが勧めたにも関わらず、受診に至らなかったと答えた人は24.1%。その後の結果が分からないとしたケアマネは7.1%だった=グラフ2=。
MCIの人のおよそ5~15%は認知症に進行し、逆に16~41%は正常に回復すると考えられている。早い段階で対策を講じれば、認知症への進行を食い止めたり、遅らせたりすることができることから、早期の受診が重要とされている。