約20年後の理学療法士と作業療法士は、必要とされる数の1.5倍まで増えてしまう―。そんな推計を厚生労働省がまとめた。
厚労省では、理学療法士と作業療法士の2040年までの需要の変化について、「医療」「介護」「その他」の分野ごとに推計した。その結果、いずれの分野の需要も年々、増加していくことが分かった。なお、介護分野での理学療法士や作業療法士の需要は、18年には2万5079人だったが、25年には3万1552人に、40年には3万8282人になると予測されている。
さらに厚労省は、これまでの国家試験の合格率や有資格者の就業率などを基に、将来の供給数の変化も予測したところ、40年には約46万5000人(理学療法士は30万8000人、作業療法士は15万7000人)と、18年段階の倍以上に増えるとする結果が出た。
これらの値を基に、厚労省では理学療法士と作業療法士の需給を推計。▽理学療法士や作業療法士は18年の段階ですでに需要を上回っている▽40年ごろには、その供給数が需要の1.5倍に達する―などの結果が示された。
■「計画的な人員育成が必要」-厚労省
厚労省では、この結果を「理学療法士・作業療法士需給分科会」に提示。さらに近年、理学療法士や作業療法士の質の低下を指摘する意見があることも踏まえ、同分科会に対し、「学校養成施設に対する養成の質の評価、適切な指導などを行うこと等により、計画的な人員養成を行うことが必要ではないか」と提言した。