介護用紙おむつ、尿失禁パッド市場拡大――富士経済調査分析

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済は、トイレタリー用品91品目を本年4月から8月にかけて主要トイレタリー企業約120社を調査・分析しており、その報告を3回に分けて行っている。その第3回として、キッチン分野18品目、サニタリー分野8品目、殺虫剤5品目の計3分野31品目の報告を、「トイレタリーグッヅマーケティング要覧 2010 No.3」にまとめた。

今回は、そのなかから介護用品としての紙おむつや尿失禁パッドが含まれるサニタリー分野から、今年度予測を紹介する。

サニタリー分野8品目の内訳は、生理用品、パンティライナー、軽失禁ライナー・パッド、ベビー用紙おむつ、大人用紙おむつ、綿棒、家庭用マスク、ティシュペーパー。
これらのなかでは、最も市場の大きい主力のベビー用紙おむつ(1,195億円、前年比0.1%減)と生理用品(ナプキン)(641億円、前年比2.3%減)が対象人口の減少により市場を縮小した。一方で大人用紙おむつ(826億円、前年比6.2%増)や軽失禁ライナー・パッド(204億円、前年比14.0%増)が対象人口の増加により市場を拡大した。家庭用マスク(340億円、前年比78.9%増)の大幅拡大は新型インフルエンザの流行による特需である。こうした動向を受け、サニタリー市場全体は4,631億円と前年を4%上回ると見込まれる。

大人用紙おむつ(介護用)市場の2010年度見込みは、876億円(09年比6.1%増)。
この分野は、1962年に白十字によって形成され、パンツタイプとパッドタイプ新製品が増加して市場は活性化している。病院や介護施設で使用される業務用が中心であったが、高齢社会の進行により、対象人口の増加と共に需要が増加し、数量/金額ベース共に拡大している。

09年は競合が増えて価格が低下したが、対象人口が増加してトップメーカーのユニ・チャームが好調に推移しており引き続き市場は拡大した。10年は上位メーカーのユニ・チャーム、大王製紙、花王をはじめ各社が新製品投入やリニューアルを積極的に行い、ブランドの鮮度を維持して新規ユーザーの獲得に力を入れており、市場は引き続き拡大すると見込まれる。使用によりパンツの交換頻度を抑えられることから好調に推移しており、10年も高い伸びが見込まれる。

介護の必要がない人が自分で利用する尿漏れ対策として、下着に貼り付ける薄手のライナーと厚手のパッド、パンツタイプ(紙製)を対象とする軽失禁ライナー・パッド市場は、2010年見込み223億円(09年比9.3%増)と、約1割近い伸び。市場は主に50代以上の対象年齢人口の増加によって、01年〜09年の間に年平均20%の成長を続け、09年には200億円市場に拡大した。メーカーによる商品の投入と消費者に対する症状や商品知識の普及が図られ、悩みを抱える消費者の潜在需要を顕在化して市場の成長につながった。今後も商品理解が更に進み、市場の拡大が見込まれる。

このジャンルは1990年に花王「リリーフパッド」により市場が形成された。高齢社会になって市場は拡大しており2000年代後半からユニ・チャーム「ライフリー」「チャームナップ」や白十字「ウェルレディ」など新ブランド投入やリニューアルなどラインの拡充が進めら、09年にはユニ・チャーム「ナチュラ」、10年には小林製薬「尿モレサラサーティ 消臭&吸収シート」が発売された。

ユニ・チャームは09年に行った「チャームナップ」と「ライフリー さわやかパッド」のシートと吸収体のリニューアルで、実績が大幅に拡大した。10年は「チャームナップ」と「ライフリー スリムウェア」のリニューアルを行い、消費者需要を取り込み、引き続き実績の拡大を図る。

◎株式会社富士経済

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