「遺族が聞きたくないセリフ8つ」在宅医療サポート介護支援専門員研修 傍聴レポ

東京都は、10月26日、ケアマネジャー医療知識を持てるよう養成を図る「在宅医療サポート介護支援専門員研修」のカリキュラムの一部を無料で公開し、利用者の死を経験した家族のグリーフ(悲嘆)を支える「グリーフケア」について、上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケン氏が講演した。
家族や親しい人の死を通じて誰もがいずれ体験する「悲嘆」の知識や支援方法を学ぼうと、都内で勤務するケアマネジャーや行政職員が傍聴に訪れ、会場はほぼ満席となった。

登壇したデーケン氏は「死生学」の第一人者として上智大学で教鞭をとり、定年退職後は毎週ボランティア講義を行ったり、全国に52ある「生と死を考える会」の名誉会長を務めるなど、家族の悲嘆の支えるグリーフ・ケアの普及に努めている。

まず「グリーフ(悲嘆)」の定義について語り始めたデーケン氏は、フランスの“別れは小さな死”ということわざを紹介し、大切な人の死は残された人にとっても小さな死に等しい悲しみであり「人生は喪失体験の連続だ」と述べ喪失体験がもたらす精神的、肉体的ダメージに講義を進めた。

[color=003399]■悲嘆のプロセスは12段階[/color]
「精神的打撃」のあとに沸き起こる感情については、「否認」「パニック」「怒り」「敵意」などがある。アメリカの同時多発テロで世界貿易センタービルが倒壊したとき、ホスピスの視察でニューヨークに滞在していて多くの遺族に接したデーケン氏は、テロで夫を亡くした女性は夫の遺体が発見されないために半年経っても「まだ戻ってくるかも」と納得できない様子だったと「否認」の感情を説明した。

また「怒り」「敵意」は本人の死後も病院や医者に向けられたり、がんなど心の準備期間がある死と違って突然訪れる自殺などの場合は、遺族に“救えなかった”という「罪意識」が生じやすいことなどが説明された。
このほか「幻想」「孤独感」「抑(うつ)」などを抱えたり、会社の仕事が手に付かないなど、やる気をなくす「無関心(アパシー)」といった段階を経て、やがて現実を「受容」し、新たなアイデンティティーが誕生する「立ち直り」へと、ステップをたどることが示された。

■遺族が「聞きたくない言葉」8つ
デーケン氏はグリーフケアの具体的な対応のポイントとして、悲しみに暮れる遺族が他人から「聞きたくない言葉」として挙げられたワースト8を紹介した。
       
1. がんばろう
2. 泣いてはダメ
3. 早く元気になって
4. 私にはあなたの苦しみがよく理解できる
5. あなただけ(が苦しいわけ)じゃない
6. もう立ち直れた?
7. 時がすべてをいやすから大丈夫
8. 悪行の報い、先祖の行いが悪い 

個々のセリフを解説したデーケン氏は、たとえば3位の「泣いてはダメ」は、男性に対してよく声をかけやすく、イギリスや日本では人前で泣くことが見苦しいという社会通念があって涙を見せない毅然とした態度が賞賛されたりするが、「感情を抑圧することは健康によくない」と、発散させる必要性を説いた。
5位の「あなただけが苦しいわけじゃない」は「他人と比較することは禁物」で、6位の「 もう立ち直れた?」 は、人によっては年単位で立ち直るまでの日数がかかることがあると注意を促した。8位の「悪行の報い、先祖の行いが悪い」は、地方の親族や近所の人がこうしたいわれのない無責任な声を比較的かけやすいとして紹介された。

グリーフケアには「ユーモアが必要」
講演の総括としてデーケン氏はグリーフケアにおける「ユーモアと笑顔がもたらす重要な役割」を語った。“ジョーク”と“ユーモア”の違いについて、きついジョークは人を傷つけるが、ユーモアは心と心の触れ合いであり、愛の表現と区別した。
「ユーモアは人生の潤滑油。張りつめた雰囲気をほぐして楽しいものに変える魔法だ」と述べて、人に笑顔を導き出すには不可欠なものだと説いた。

さらに、ドイツ生まれのデーケン氏は、父親が反ナチ運動をしていていたため、小学生時代から戦争反対の手紙をタイプするなど家族全体が命がけで活動していたが、その緊張下でも父親が夜は子供たちに必ず笑い話をしてくれたと自身の体験を語り、「ケアマネジャーもストレスの多い仕事だと思うが、本人や家族に対して笑顔とユーモアを忘れないで」と訴えた。

「来日したときは“サヨナラ”と“フジヤマ”しか話せなかった」というデーケン氏が繰り広げたユーモアあふれる流暢な日本語の講義は、ケアマネジャーからの大きな拍手とともに幕を下ろした。

■取材協力
東京都
東京都介護支援専門員研究協議会

介護食の基礎知識
応援!はたらくかいご とうきょう介護と仕事の両立応援デスク

介護のキホン

介護シーン別に基礎を知る

みんなが注目する基礎知識

要介護度とは?

要介護度とは?

介護度は7段階に分かれていて、要支援1・2、要介...

介護度別ケアプラン事例

介護度別ケアプラン事例

<要支援1>支給限度額49,700円、自己負担額...

デイサービス(通所介護)の選び方

デイサービス(通所介護)の選び方

デイサービスは曜日によって利用者が異なり、雰囲気...

家族で話し合おう

家族で話し合おう

家族で話し合おう...

介護相談員ブログ

介護相談員ブログ

わかるかいごの相談員が定期的にブログを配信中!

介護用語を調べる

頭文字から探す

 
 
     
 
         
A B C D E F G H I J K
L M N O P Q R S T U V
W X Y Z              

キーワードから探す

このページのトップへ