市販薬の外箱を見て、わかること!お薬講座レポート(2)

10月19日に東京都が開催した都民向けの「おくすり講座」では、「知って得する市販薬の使い方」をテーマに慶応義塾大学薬学部教授の望月眞弓氏が講演した。後半は薬の副作用や飲食物との飲み合わせなど聴衆の関心も高い話題が並んだ。薬の知識を学び自己の健康管理に役立てようという向学心に富む参加者らは、薬との上手な付き合い方を学べる無料講座のチャンスに終始、熱心に耳を傾けていた。

望月氏は、前半の用法用量を守る講義に重ね服薬時の注意点として、「薬を飲みたいけれど食欲がないときはビスケット1枚でいいので胃に入れてから」「寝たきりの高齢者などに服薬させる場合は、寝たままの姿勢では薬で食道が傷ついてしまう恐れがあるので、きちんと体を起してから飲ませる」ことなどを伝えた。

主な薬の副作用では、解熱鎮痛薬は胃腸障害や腎障害、かぜ薬は眠気といったよく耳にする副作用に加え、かぜ薬やアレルギー薬の鼻水を止める成分が眠気を誘い、抗生物質は腸内の菌を殺すので下痢が起きやすいことなどが詳しく解説された。
また、市販のかぜ薬を飲んで起きたスティーブン・ジョンソン症候群副作用をとりあげた。望月氏は患者の会から注意喚起のため提供された、やけどを負ったように皮膚がただれた写真をスライドで映しながら、「かぜ薬を飲んでも熱が下がらず効きめが出てないと思って1週間飲み続けたが、その熱はスティーブン・ジョンソン症候群が影響して出た熱だった。それをかぜによる発熱だと思い込んでいた」と報告。市販薬を2〜3日飲んでも症状が良くならなければ、別の病気の可能性を疑い速やかに医療機関を受診すべきと訴えた。

続いて、昨年の6月から販売方法が変わった薬局やドラッグストアで買えるOTC医薬品(一般医薬品)について解説された。望月氏は、OTC医薬品には第1〜3類までの区分があることを表で示しながら、副作用のリスクが高い順に第1類は薬剤師、第2、3類は薬剤師または登録販売者と、対応する専門家が分かれ、第1類の薬は薬剤師との対話が条件とされているので、購入者の手が届かない場所に置かれていると説明した。
また、薬の外箱で見極められることとして、第2類には「2」の数字が四角や丸で囲んである2と、そうでない2がある図が写され、同じ第2類でも枠で囲ってあるものは「指定第2類」と呼ばれ第1類に近いものであることが伝えられた。

薬と飲食物との飲み合わせでは「お茶、コーヒーと鉄剤」「グレープフルーツジュースと高血圧治療薬のカルシウム拮抗薬」「アルコールと睡眠薬」「ビタミンKを含む納豆と血栓を防ぐワルファリン」の組み合わせに注意するよう指摘があった。

最後に望月氏は、薬について分からないことがあれば、薬剤師などの専門家に相談したり、インターネットの情報や「おくすり手帳」を活用することをすすめ、病気の治療には薬は欠かせないものだが、影の部分として副作用を持つ。それを最小限にするための正しい使用法を身につければ、薬の恩恵を享受することができる」と、有意義な講演を締めくくった。

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