衣類や生活用品(食器などの自助具)は、介護保険の対象ではありませんが、高齢者がひとりでできることを手助けしてくれ、介護者の介護負担も軽減してくれる優れものが数多くあります。
着脱しやすい衣服
加齢に伴い背中が丸くなったり、麻痺があってひとりで着替えられない方のための、着脱しやすい衣類が販売されています。
ただし種類が少なく価格も高価なため、ミシンが使える方ならリフォームをおすすめします。ボタンをマジックテープに交換したり、えりぐりに切れ目を入れて広くするだけでも、格段に着がえが楽になります。
リハビリシューズ
マジックテープ付きで着脱がしやすく、甲をしっかり固定して歩きやすいシューズが発売されています。障害のある方が補装具(足を支える道具)とともに装着することができるよう、片足ずつ販売されているものもあります。
曲がりスプーン
握る力が弱くなったり、口まで運ぶことがむずかしい方のために、スプーンやフォークの柄を自由に曲げられるように工夫されています。また、柄の部分の太さを変えることで、本人の力や手の大きさに合わせることができます。
自助コップ
飲み込みがうまくできない人があごを上げなくても最後まで飲めるコップや、片手で歯磨きするための歯ブラシホルダー付きコップ、重心が重く倒れにくいコップなど、障害の種類や程度によってさまざまなコップが販売されています。
滑りにくい食器
両手を使って食事をするのがむずかしい方には、食器の底が滑らないシリコンやゴム製になっていて、支えなしで箸やフォークを使っても滑らず安定している食器や、手前と奥の深さが異なり、すくいやすい器などが発売されています。
口腔ケア用品
自分で歯磨きできなくなった方向けに、刺激の少ないスポンジ球のついたブラシや、弱った歯肉を傷めずにケアするための指サック状の口腔ケア用品があります。
排泄用品
排泄は人の尊厳に関わる部分のため、介護が必要になっても、トイレ介助やおむつ利用に抵抗を示す方は多いもの。現在は、排泄用品も便利で使いやすい高機能なものが増えているので、まずはサンプルを取り寄せるなどして、使い心地を試してもらいましょう。
自力で排泄できるけれど、トイレに間に合わず失禁することが多い方は、居室にポータブルトイレを置いたり、下着感覚のパンツタイプのおむつから試していただくなど、段階的に排泄用品を導入していきましょう。
失禁パンツ
くしゃみや少し力が入った時などに少量漏れてしまう方が使用することが多いです。50~100ミリくらいの漏れまでは対応でき、繰り返し使えて経済的です。
パット併用パンツ
ショーツの両脇が開閉できるため、オムツをはずすことに向けてパッドが取り外しでき、ご自身で交換できるタイプです。他に、前開きのものなどもあります。
リハビリパンツ
下着のようにはけるタイプで、最近ではズボンをはくとつけていることがわからない薄型タイプのものも増えてきました。日中は自分で、夜間は介助で交換しやすいよう、ウエスト部分の左右にテープがついたタイプもあります。
尿取りパット
製品によって、1回~数回分吸収できるものがあります。テープ型のおむつは、尿取りパッドを併用することで、1回ごとに交換しなくても済み経済的です。
テープ型オムツ
ベッド上で過ごされる時間が長い方がご利用する、介助者に交換してもらうタイプです。体のサイズに合ったものを選び、尿取りパッドと併用します。
平おむつ
防水シーツの代わりにも使える、経済的なフラットタイプのおむつです。主におむつカバーと併用します。