若年世代でも「断捨離」を決意して生活スタイルを見直す機会を作る方々も多い昨今ですが、高齢ともなると終活の一環で「生前整理」を行う必要性も出てきて、ご家族様が介入する状況でもあるようです。ただ、ご家族様が一緒に整理をしようとしてもご高齢の方々の多くは、時代の背景からか「ものを捨てられない」ご心境のため、なかなか前に進まず、ご家族内で険悪なムードになってしまうこともあるのも現実です。
今回は、生前整理の意味や目的も『自分や家族が、安心・安全で明るく豊かな老後を過ごすため』と前向きなとらえ方に変化しつつありますので、遺品整理となってしまう前に、高齢者自ら介護予防の一環でひとつひとつ納得しながら環境を整えていければ良いと思います。
【生前整理5つのメリット】
① 介護予防:つまづいたり転びにくく、安心・安全な部屋となる。
② 災害対策:散らかっていると、タンス上からの落下物で、逃げ遅れたり、発見や救助が遅れてしまうことがある。
③ 遺志を伝える:大切な有価証券、タンス預金、アクセサリーなどを把握し、家族に思い出や気持ちを共に伝えることができる。
④ 快適な生活:物が片付いて、お掃除や管理がしやすくなる。
⑤ 楽しみ・生きがい:孫や子が遊びにくる回数が増えたり、友人やご近所の方とのコミュニケーションが増える。
物を片付ける=捨てる、という発想だけではなく、例えばフリマアプリを活用し、買い取っていただくとか、大事に使っていただける方へ譲るという選択肢もあります。ここ最近はメ〇カ〇など「生前整理」のカテゴリもあるようで、利用された方の感想は“親の思い出の品も誰かが使ってくれていると思うと嬉しいし、眠っていた物に息吹を与え価値が上がったと思うと気持ちに納得がいった”と。
これからの『生前整理』は、単に「死」を意識した整理ではなく、これまでの長い人生を振り返り、本当に必要なものは何なのか?を問う機会として有意義な時間になれば、その後の老後も心豊かになり、家族の円満につながっていくことでしょうか。