幼き日の思い出

子どものころ、母の故郷へ帰ることが楽しみでした。
九州の、とある場所に母の故郷はあります。
田んぼの中に2、3軒の家が建っていて、また少し離れて2、3軒の家があるような地域でした。40年前にはトイレが外にあり汲み取り式、お風呂は五右衛門風呂でした。

幼き私と妹は、家の前にある小川で魚取りをしたり、道端に生えている数珠玉を取ったり、飼っている牛にえさをやって過ごしました。庭に植えられた肉桂の木の皮をはがしてかじったり、あけびの実を取ってきて食べることもありました。
母や伯母が、ほおずき笛を作ってくれることも楽しみのひとつでした。熟したほおずきの赤い丸い実の部分を揉んで柔らかくし、取り外します。そして、付け根の部分から皮を破らないように気をつけながら中の果肉を爪楊枝で少しずつ取り出します。中身がすっかり取り出されると、付け根の小さな穴にむかって「フーッ」と空気を送り込みまた丸い形にします。
その状態のまま口の中で音を鳴らすのです。鳴らすのは難しく、母や伯母に頼んで鳴らしてもらっていました。
夜には、いとこたちと五右衛門風呂に入りました。丸い木の板の上に乗り、その板を沈めながら熱い熱いと言いながら入りました…

グループホームで働いていたとき、入居者の方に母の故郷で経験したことを度々お話していました。この話題が呼び水となり、皆さんの思い出話で盛り上がることも多かったです。認知症の方は現在のことを忘れてしまっても、子どものころの記憶は失われていない方も多く、それぞれの思い出を次々とお話してくださいました。
しっかりと記憶できていて理解できている話題(過去の記憶)でお話するときには、より安心で楽しく穏やかに過ごすことができます。思い出話の共有は、気持ちを落ち着かせることができるのです。

9月17日は敬老の日です。敬老の日について考えを巡らせていたら、グループホームで働いていた当時のことを思い出し、続いて40年以上前の母の故郷での体験を思い出し、懐かしい気分に浸ってしまいました。

母の故郷へは、もう長い間行っていません。
今もあの場所に数珠玉は生えているのかな…小川に魚はいるのかな…いつか再び訪れてみたいと思いをはせるのでした。

A ・T
相談員、介護福祉士、ケアマネジャー 好きな言葉は「一期一会」です。ひとつひとつのご縁を大切にしたいと思っています。
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