ヤマブキの思い出

今年は3月下旬より暖かくなったせいか、桜を始め多くの花の開花がいつもの年より早かったようです。
例年だと連休中に見頃を迎える「ツツジ」も4月中に満開となりました。

以前勤務していたデイサービスは、利用者の多くが女性で、テーブルには季節の花を飾っていました。そのせいか、花の話題で盛り上がることがしばしば。
送迎車の中から見える庭先の花を楽しみにしている方もいらっしゃいました。
おかげで、私も花の名前を多く知ることができ、ささやかながらもガーデニングがひとつの趣味となりました。(忙しさを理由にしばらく遠ざかっていましたが、先週しばらくぶりにハーブの苗をいくつか植えてみました!)

この時期、「ヤマブキ」の花を見るたびに思い出すのがデイサービスにいらしていたMさん(女性)です。
毎年、庭先に咲く「ヤマブキ」を見かけると、
「七重八重 花は咲けども山吹の 実のひとつだになきぞ悲しき」『後拾遺和歌集』
という歌を口にされていました。
この歌には「八重のヤマブキは雄しべが花弁に変化し、雌しべも退化したもので、実がならない。(実の)を(蓑)にかけて、我が家にはお貸しできる蓑もありません」という意味が込められていますが、この歌を知らなかった太田道灌は、農家で蓑を借りようとした時に、ヤマブキの枝を差し出した娘に立腹します。後にその無知を恥じたということです。

Mさんは糖尿病が進み食事制限がありましたが、お菓子をこっそり買いに行き、娘さんに怒られたり、アメをたくさんポケットにしのばせてデイサービスにいらしたりと、「我が道を行く」方でしたが、物知りでユーモアたっぷりの会話はスタッフや他の利用者さんを楽しませて下さいました。
それでも、時折見せる寂しそうな表情は、ご主人を戦争で亡くした心の痛みからではないだろうかと感じました。

今頃は天国でご主人との再会を果たしていると思いますが、ヤマブキの花を見ると、Mさんのことが心によみがえります。

S ・ Y
介護相談員、ケアマネジャー、介護福祉士。 皆様のお気持ちが少しでも軽くなる、そんなお手伝いができればと思っています。
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