高齢になると冷えが起こりやすくなる
まだまだ寒い日が続いていますが、高齢のご家族は、活動が低下したり、閉じこもりがちになったりしていませんか?高齢者は寒さに対する感覚が鈍く、体の働きも低下するため、この時季はとくに注意が必要です。
本来、人の体は気温の変化による影響を受けても、常に一定の体温を保つようにできています。しかし、高齢になるとその働きが弱くなり、体内でつくる熱の量が少なくなります。さらに、体温調節機能が低下するため体内の熱を逃がしてしまい、体が冷えやすくなるのです。
高齢のご家族がいる方は室内の温度調節や衣類などで「冷え対策」をしてあげましょう。
低体温症に要注意
「冷えは万病のもと」といわれるように体が冷えてしまうことは、健康の大敵です。高齢者の場合、体温が35℃以下に下がってしまう症状を「老人性低体温症」といいます。実は低体温症は非常にリスクが高く、心臓発作、腎機能障害、肝臓障害などの要因になるため、ご家族の体温が35℃以下で、「手足が冷たい」「震え」「呼吸が浅い」といった症状があるときはとくに注意しましょう。
低体温症を予防するには?
外出時はもちろんのこと、室内でも「こたつを置く」「重ね着をしてひざ掛けを使う」「厚手のソックスを使用する」など体温が下がらないように予防をすることが大切です。
とくに服装は「頭寒足熱」という言葉にあるように「上半身より下半身に1枚多く」するように心がけましょう。体を締めつけるものを避けて、重ね着をしたときはこまめに脱ぎ着をして温度調節を。保温性が高く、汗が乾きやすい素材の下着を重ねる、足先をきちんと覆うことも冷えには有用です。出かけるときは首を冷やさないようにマフラーなどを利用するなど、日ごろから高齢のご家族の「保温」ができているか、しっかりチェックをしてあげましょう。
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転倒は「介護」のはじまり!?
この時季は家庭内での転倒が多く「カーペットやこたつ布団につまずく」「冷えにより、膝や腰の痛みがひどくなり動きが鈍る」など、高齢者の転倒事故が多く見られるため、とくに注意が必要です。若い人にとっては軽いケガでも、高齢者の場合だと「介護」に直結することも。「骨折・転倒」は実は介護の原因の1割近くを占めているのです。対策としては
・床に物を置かない
・カーペットの端、こたつ布団には注意し、電気コードは整頓する
・適度に体を動かす機会をもつ
などがあります。高齢のご家族が住み慣れた自宅でいつまでも安心して過ごせるよう、安全で動きやすい環境づくり、体づくりをしていきましょう。