治療方針、「詳しく話し合い」は1割満たず―ホスピス財団

病気の重症化で意思決定が困難になった場合に備え、治療などの方針を家族らと詳しく話し合っている人の割合は全体の7.1%にとどまることが、「日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団」が行ったアンケート調査で分かった。人生の最終段階に向け、医療介護従事者と患者や家族らが、治療やケアの方針などを繰り返し話し合う「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP)の必要性が高まっているが、70歳代の回答者でもわずか1割だった。

調査は昨年12月、20-79歳までの男女1000人を対象にインターネット上で実施し、人生の最終段階で受けたい治療などについて尋ねた。回答者の6割近くは配偶者がいたが、「未婚」も3割を占めた。一人暮らしは全体の23.1%だった。

「人生の最終段階に、どのような治療を受けたいか」との質問では、「生命予後を可能な限り長くするよりも、痛みや苦痛を取り除く治療をより希望する」が58.1%で最も多く、60歳代では7割を超えた。また、治療の意思決定については、「自分で主体的に決めたい」が全体の77%に上った。

病気の重症化で意思決定できなくなった際、代わりに治療などの方針を決めてほしい人(代理意思決定者)を聞いたところ、トップは「配偶者」(49.2%)で、以下は「その他の家族・親族」(子やその配偶者以外の親族、19.5%)、「実子」(13.2%)などの順だった。ただ、実際に治療内容などを話し合ったことがあるか尋ねると、「一応話し合っている」は35.5%で、「詳しく話し合っている」は全体の1割に満たなかった。

一方、自分が希望する治療の内容などを代理意思決定者が知っているかとの質問では、「十分に知っていると思う」(19.9%)と「知っていると思う」(39.6%)を合わせた約 6 割の人が「知っていると思う」と回答。約4割の人は「よく知らないと思う」と回答したが、これを年代別で見ると、年代が上がるに連れて割合は小さくなり、60歳代と70歳代ではいずれも20%台だった。

家族内の人間関係や旧来の家長制度の影響で代理意思決定者を回答した可能性もあるため、アンケート調査では、「意思決定できなくなった時に、あなたの医療・療養の希望を最も代弁できる方(あなたの希望を最も理解しているであろう方)はどなたですか」と尋ねた。その結果、「代理意思決定者と同じ」が大半を占める一方、約1割は「代理意思決定者とは別」と回答し、その内訳は、「その他の家族・親族」(39.6%)、「友人」(19.8%)、「配偶者」(14.2%)の順だった。

同財団では、「実際に人生の最終段階となった場合には、だれか一人が代理意思決定するのではなく、代理意思決定者とは異なる家族も含めて、十分に話し合いを共有し、共同した代理意思決定を行えることが重要であることが示唆された」としている。

■「自分が先に死にたい」、夫婦で大差

今回のアンケート調査では、配偶者とどちらが先に死にたいかどうかも尋ねた。その結果、全体では「自分が先に死にたい」が6割超を占めた。だが、これを男女別で見ると、男性は「自分が先に死にたい」の回答割合が78.3%だったのに対し、女性は49.9%で、「自分が後に死にたい」と拮抗した。

◎同財団のホームページ

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