厚生労働省は介護の未経験者らを主な対象に今年度から導入する入門的研修のカリキュラムを発表した。研修時間は21時間で、介護の各種制度に関する研修や基本的な介護の方法、認知症への理解などの内容が盛り込まれている。
入門的研修は、介護人材確保を目的に導入される。受講のための要件はなく、誰でも受講が可能だが、厚労省では定年退職が間近な中高年層や、子育てが一段落した女性らを主な対象として想定している。
カリキュラムは、3時間の「基礎講座」と18時間の「入門講座」で構成されている。
このうち「基礎講座」には、サービスの種類や利用のための手続き、仕事と介護を両立させるための介護休業制度といった介護に関する基礎知識と、現場での安全な体の動かし方などが盛り込まれている。
また「入門講座」には、移動や移乗、食事、入浴、排せつなど介護の基本的な方法を学ぶための研修に加え、認知症や障がいに関する基礎知識や感染症対策など安全確保の基礎を学習する研修も含まれている。すべてのカリキュラムを受講すると修了証明書が発行される。
■初任者研修などへの単位の読み替えも可能
入門的研修を修了した人が介護職員初任者研修や生活援助従事者研修を受講する場合、カリキュラムの一部の免除が受けられる。具体的には介護職員初任者研修であれば21時間分、生活援助従事者研修であれば16時間分の研修の免除が可能となる。